過去ログ - 傭兵「この世でお前が一番大事」僧侶「じゃありま……えっ?」
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41: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:31:40.78 ID:PenK6jnl0

 そして、目下のところ一番わたしの近くにいるのは傭兵さんです。お願いです、わたしを止めてください。殴ってでも。もしそれができないのだったら、せめて気味悪がって逃げてください。嘘です。気味悪がらないで、それでも逃げてください。
 必死にそう叫びましたが所詮絵空事なのです。わたしの肉体は依然、昨晩の出来事を婉曲的な表現でもって避難しています。

 顔を真っ赤にして手を握り締めながら、真摯な様子で訴えかける、目の下にクマのできた奇怪な女が廊下の中央にいました。
 あぁ、それがわたしだなんて、認めたくありません。

 唯一の望みである傭兵さんは残念なことにわたしを止める様子も、ましてや逃げる様子もありませんでした。目をぱちくりさせたあとにようやく合点が言ったようで、こちらからすぐ視線を逸らします。
 ばつの悪そうな顔をしていました。それが、彼が「聞かれてしまったのか」と考えているがゆえの表情なのだと言うことは、とっくにわたしにはわかっています。

 わかってしまっています。

 左右に視線をさまよわせ、頬をぽりぽりと掻きながら、「あぁ……うん、いや……」と何かを言いかけてはやめ言いかけてはやめを繰り返す傭兵さん。
 わたしは依然として、あくまで「個人的ではなく、一般的な話」と前置きしながら、聖書の一説まで持ち出して行過ぎた姦淫を嗜めています。話せば話すほど何を話すかわからなくなっていくので始末に終えません。
 なんという地獄絵図。



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