25: ◆bA3jMfAQJs[saga]
2014/09/18(木) 17:13:44.26 ID:emFs4VfGO
「いいか。ガンプラっていうのは、格好良く、そしていかに良い物に組み立てられるか、が重要なんだ。
その考えを怠ったマイスターに勝利は無い」
「でも、今回はゲームのプロモーションですよね?」
「実はあのゲーム、プラモの完成度をグラフにして、それを強さに変えているんだ。
春香がなぜ初陣であれだけ動けたのかって言うと、あのガンダムがRGで、音無さんの製造技術により作られたガンプラだったからだ」
小鳥さんが、素早い速度で着色を終わらせると、新しいパーツを切り離して、今度は缶スプレーを吹きかけていた。
「信じられるか? 元々色付いているガンプラを、一度灰色に直して形を整えてから、もう一度着色をし直してるんだ。
既存色より、更に色艶を整えて。音無さんには、それだけ技術がある」
「……」
「春香。もしお前がプロモーションに本気で勝ちたいのなら、ただガンプラを組み立てるだけじゃない。
その完成度を高める事を考えろ」
プロデューサーさんが渡してきたのは、HGのガンダムだ。
「幸い、HGのガンダムは入門編にはもってこいだ。俺が作り方を教えてやるから、RGの前に、まずはHGだ」
プロデューサーさんは、そう言いながら視線で私に問いかける。
――勝ちたいか?
私は、今まで765プロのアイドルの中で頑張ってきた。
でも、その順位はあくまで普通だ。人気がないわけではない。でも、高いわけでもない。
ただ765プロでリーダーみたいな位置に居たから、顔を覚えて貰えていただけだ。
――他の子に、勝ちたい。
――アイドルとして、この仕事に、ううん。
「勝負に、勝ちたいです」
「よし、ならまずは作り方を教えてやる。HGを開けよう」
「はいっ!」
私は、HG ガンダムのパッケージを開け、そのランナーを取り出した。
そして、説明書を片手に、パーツを切り離し、作り上げる作業を始める為に、一言。
「よろしくお願いしますね、プロデューサーさんっ」
春香編 第一部・終了
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