過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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◆gDTYF1szXU
[saga]
2014/11/24(月) 13:54:05.23 ID:8uac0BgmO
「……エリー」
一瞬だけ私を見つめた瞳は、だけど遠くを見ているように焦点が合わない。
病人のように白い肌。変化の乏しい表情。
そのどれもが私の知る、恋する乙女とはあまりに似付かない。
「にこのお見舞いに行くのね。貴方達、付き合ってるんでしょう?」
僅かに漏れた苛立ち。少しだけトゲを感じさせる私の論調を、けれど真姫は気にもせず。
「ええ、顔だけでも見て帰ろうと思って」
それが更に私の苛立ちを加速させる。
けれどダメだ。何も言ってはいけない。
いけない、けれど。
「……もう行くわね。また、明日」
けれど、我慢が出来なかった。耐えられなかったと言い換えても良い。
「ねえ、真姫。私ね」
だって、にこの恋人である筈の貴方が。
よりによって、恋人の貴方が。
なんて酷い顔をしているの。まるで不幸で仕方ないとでも言いたげなほど、憂いた表情。
そんなの、私が許さない。
「にこのこと、愛してるのよ」
そんな顔をするくらいなら、あの子の恋人など辞めてしまえばいいのに。
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