過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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◆gDTYF1szXU
[saga]
2014/10/17(金) 17:09:45.72 ID:bug6hAgWO
「本当は信じたいのっ」
開口一番、溢れだす言葉の波。
「好きって言葉も、付き合おうって言葉も、全部」
でも、と続いて。
「でも、どうしたら良いかわかんないの。惨めで、悲しくて。なのに、にこちゃんの傍から、離れたくないの」
……あーあ。やっぱり泣いちゃった。けれど、私は言葉を挟まず耳を傾けて。
「もう、意味わかんない」
……そうして一通り、想いを吐き出しただろうか。もう、真姫ちゃんの嗚咽しか聞こえない。
「それならね」
弱った真姫ちゃんの心に。
「にこが信じさせてあげる」
囁きかける、悪魔の戯れ言。
気付いてた?いつの間にか私達の距離が、触れ合うほど近く。
息遣いさえ肌で感じられるほど、縮まっていたことに。
涙に濡れた頬に両手を添えて。お互いしっかり目が合ったことを確認する。
「真姫ちゃん」
「ふぇ?」
まだぼんやりとした面持ちの彼女は。
「にこのこと、信じさせてあげる」
けれど今日のことを、生涯忘れないだろうと思う。
身長差があるせいで、少し背伸びをしたことも。
涙と鼻水で、塩辛いと感じたキスの味も。
少なくとも私は、絶対に忘れない。
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