過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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33: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/10/17(金) 17:09:45.72 ID:bug6hAgWO
「本当は信じたいのっ」

開口一番、溢れだす言葉の波。

「好きって言葉も、付き合おうって言葉も、全部」

でも、と続いて。

「でも、どうしたら良いかわかんないの。惨めで、悲しくて。なのに、にこちゃんの傍から、離れたくないの」

……あーあ。やっぱり泣いちゃった。けれど、私は言葉を挟まず耳を傾けて。

「もう、意味わかんない」

……そうして一通り、想いを吐き出しただろうか。もう、真姫ちゃんの嗚咽しか聞こえない。

「それならね」

弱った真姫ちゃんの心に。

「にこが信じさせてあげる」

囁きかける、悪魔の戯れ言。

気付いてた?いつの間にか私達の距離が、触れ合うほど近く。

息遣いさえ肌で感じられるほど、縮まっていたことに。

涙に濡れた頬に両手を添えて。お互いしっかり目が合ったことを確認する。

「真姫ちゃん」

「ふぇ?」

まだぼんやりとした面持ちの彼女は。

「にこのこと、信じさせてあげる」

けれど今日のことを、生涯忘れないだろうと思う。

身長差があるせいで、少し背伸びをしたことも。

涙と鼻水で、塩辛いと感じたキスの味も。

少なくとも私は、絶対に忘れない。


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