過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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39: ◆gDTYF1szXU[sage saga]
2014/10/26(日) 01:45:17.62 ID:SyN6Q9a4O
「真姫ちゃんの具合が悪そうだから、家まで送って帰るわね」

5分ほど前の、にこの言葉。

その宣言通り、屋上からは仲睦まじげに手を繋いで下校する二人の背中が見えた。

「確かに、少しフラついているかしら」

真姫の様子がおかしいことにはみんな気が付いていた。

けれど本人が大丈夫としか言わないものだから、結局にこに任せてしまって。

「とりあえずは問題なさそうね!」

とにかくひとつ、心配事が解消された。

「……それにしても」

あの二人、本当に仲が良いのよね。

「最初はにこちゃんが一方的にオモチャにしてるだけだと思ってたんやけどね」

柵に寄りかかって二人の背中を目で追っていた私の隣に、希が腰かける。

「そうなのよね。でも、気付いたら真姫の方からにこに関わっていくようになって……」

どうやら希も今日の真姫の様子が気になっていたみたいね。

「最近だと帰るのもいつも一緒やで、あの二人」

「そうなの?でも昨日はにこ、ひとりで帰ってたみたいだけど」

「そうなん?練習が終わってから真姫ちゃんに呼び出されてるとかって言ってたから、ウチはてっきり一緒に帰るものかと……あっ」

「……?どうしたの」

どうやら何かに気が付いたらしい希は。

「……なんでもない。たぶんウチの思い違い」

それ以上、何も教えてはくれなかった。

(いいわよ。明日、本人達に聞いちゃうんだから!)

もうすぐ陽が落ちる。下校まで残り30分といったところだろうか。

休憩終了を告げて、振り付けの確認を再開する。

けれどその最中にも、私の頭の中では手を繋いで下校する二人の背中がぼんやりと浮かんだままだった。


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