過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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◆gDTYF1szXU
[saga]
2014/10/29(水) 19:04:05.68 ID:djo1UXpFO
朝、目が覚めた私は未だかつて味わった事のない不思議な気分に浸っていた。
「……あ」
(ダメなんだ、これ)
体を起こすどころか、頭の向きを変える事さえ出来ない。
まるで脳をスプーンか何かでゆっくりとかき混ぜられほぐされているような感覚。
動かせない体が、くるくると回転して渦に飲まれていくような錯覚。
(きもちわるい)
脳裏でそう呟いて間もなく、私はそのまま嘔吐した。
けれどそんなことは気にならない程度に、私の体調は最悪だった。
(誰が呼ばないと)
霞がかった頭で考え付いたことを実行する。しようとして。
しかし私は激しく咳き込む。その反動で揺れた脳が、更なる歪みを生む。
私の手では届かない、脳の裏側の遥か上の方で。
そこで何度か白い閃光が点滅して、次第にその間隔は短くなっていく。
まぶしい……のかもしれない。自分がその光をどう感じているのか理解も出来ないまま。
私は光に包まれた。
きっと目を閉じることが出来なくなってしまったのだと思う。
周囲は何時までも白に染まったままだった。
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