過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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◆gDTYF1szXU
[saga]
2014/10/29(水) 19:04:34.70 ID:djo1UXpFO
目覚めた私は酷い偏頭痛で顔をしかめた。
どこか拒絶に近いよそよそしさを感じさせる白の天井と囲いには見覚えがある。
ここには前にも来たことがある。真姫ちゃんの病院だ。
(私、倒れたんだ)
カーテンの向こう側から微かに漏れる光は既にオレンジに染まりきっていた。
ナースコールのボタンを手に取り、同時に自分が覚えていた最後の記憶を辿っていく。
(あの時……)
点滅する白。動かない体。徐々に遠のく、心音。
酷くあっさりとした意識の喪失。
(死ぬって……はっきりと、そう思った)
痛みも苦しさもない。それが却って死を身近に感じさせた。
(まだ、先のことだと思っていたのに……)
ひたひたと迫る命の期限から、目を背けていたわけじゃない。
処方される薬の量も種類もどんどん増えて。それでも最近は体調の悪い時間の方が長くなっていて。
今回のように意識を失って倒れることも、あらかじめ危惧していた。
ふとした理由で死んでしまうことだって、可能性としては十分にあるのだ。
だから、いつ何が起こっても不思議ではない。
そんな風に覚悟はしていたし、平気な筈だったのに。
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