過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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82: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:29:28.85 ID:NV91PEd4O
少し早くに目が覚めた。

(大丈夫、起きられる)

体の調子は悪くない。ひょっとすると、ここ暫くでは最高のコンディションかもしれないと思った。

早朝の我が家には、まだ静寂が鎮座している。耳を澄ませば妹たちの寝息さえ聞こえそうなほど。

慣れ親しんだ日常の暖かみに、頬が緩んでいくのを感じる。

(この家に、私は帰って来ることが出来たんだ)

出来ることなら1日でも永く、この家に。家族の傍に。

そんな風に願いを込めながら、枕元に用意されていた薬を服用していく。

きっといま飲んでいる薬には、神頼みとそう変わらない程度でしか意味はない。

私の運命を変えるほどの力は、きっと。

「……お弁当、作らなきゃ」

私の朝は家族全員分の朝食とお弁当を用意するところから始まる。

いい加減、私が代わるわと。母は何度も言ってくれたけど。

それでも、この役目を譲る気にはなれなかった。

「今日はいい天気ね」

台所の窓から覗く空を眺めて。

今日もきっと良い1日になる。そんな予感がした。


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