6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/09/27(土) 01:34:45.08 ID:YPdDlGQD0
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そろそろ願書やらなんやらの関係で志望校を決めないといけない時期なのに、私はまだうだうだと悩んでいた。
模試があって観に行けなかった大学の文化祭で先輩たちが「放課後ティータイム」として演奏したらしい、と菫から聞いて微妙な気持ちになった。
こちらの文化祭とも先輩達は予定が合わなくて観にきてもらえなかったのも正直少しさみしかった。
放課後ティータイムはもちろんだけど、今年結成したわかばガールズだって大切なバンドだ。
このままただ先輩達を追いかけるだけでいいのだろうか、なんてぐるぐるとまとまらない頭で部室の机に突っ伏していると、階段を昇る足音がして直と菫が入ってきた。
直「こんにちは。まだ梓先輩だけですか?」
菫「こんにちはー」
梓「おつかれ。…憂と純もそろそろ来ると思うよ」
二人は長椅子にカバンを置いてこちらにやってくると、私の手元の進路調査票に視線を落とした。
直「まだ悩んでいたんですね」
菫「…お姉ちゃん達の大学をどうするか迷ってるんですか?」
梓「…うん」
ああ、一年生に心配かけてしまうなんて情けない、とため息をつきそうになって堪えると、菫と直が真剣な顔つきで話し出した。
菫「えっと、梓先輩。車の運転もそうですけど、若葉マークは一年で卒業するものです」
直「はい。ですから、来年度の私達の成長を楽しみにしておいて下さい」
菫「まずは部員集めからですけど。あ、たまに指導に来てくれると嬉しいです」
直「新生軽音部『わかばマークU』にこうご期待を!」
菫「ちょ、直ちゃん、ほんとにその名前にするの?!」
直「え、だめ?」
梓「…ふふっ、ありがとう、二人とも。まだ少し早いけど、わかばとあとの事はよろしく頼むね」
まったくいつまでたっても部長らしくなれないよなあ、なんて。
今度は二人の思いやりに涙を堪えるはめになってしまった。
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