過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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15:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:05:45.79 ID:4btJ32Bz0
志乃田名もなき神社の鈴を鳴らすと、黒装束の女が現れた。
彼女こそが超国家機関ヤタガラスの一員。
ライドウは名前を知らないが、ヤタガラスの使者と呼んでいる。

ヤタガラスの使者「どうしたのです。十四代目葛葉ライドウ。珍しく慌てていますね」

ゴウト「すまぬが問答している時間はない、異界開きを頼む。
異界深川町に火急の用がある。
早くせねば地獄少女に一人の男が殺されてしまう」

ヤタガラスの使者「地獄少女……わかりました。それでは目を閉じなさい」

目を閉じ、一時の浮翌遊感に耐えると異様な妖気で満ちた場所へと送られた。深川町の異界である。

ゴウト「なんというすさまじい妖気よ。
まさか地獄少女がこれほどの悪魔とは、抜かるなよライドウ。行くぞ」

妖気をたどって走り出すゴウトを追いかけるライドウ。
たどり着いたのは祠前の空地、人相の悪い男が現実世界から消えた場所。
その周囲だけが夜のように闇が覆っていた。

闇の中には腰を抜かしている男の前に花柄が揺れ動く振袖を着た少女が立っている。
周囲には三体の悪魔がいるようだが、闇にまぎれて風体はよくわからない。

ゴウト「あやつだ。服装こそ違うものの、依頼人の記憶にあった地獄少女に相違ない。
気を付けろ、ライドウ」

地獄少女は一瞬だけ全力疾走するライドウに目をやり、すぐに人相の悪い男へと視線を戻した。

あい「闇に惑いし哀れな影よ。人を傷つけ貶めて、罪に溺れし業の魂……いっぺん、死んでみる?」

少女の袖を広げると、その模様、揺れ動いていた花の模様が空中に浮かび出して男を包み込んだ。
しだいに闇が濃くなり地獄少女も男も、すべての影が闇と一体化して見えなくなる。
すると今度は闇が薄れはじめて、やがて消えた。

周囲の三体の悪魔も一拍遅れて空間に溶けるように一瞬で消え去る。
今の出来事が何かの間違いであったかのように、そこには彼女らの痕跡など一切残っていなかった。

ゴウト「間に合わなかったか……。
しかし、地獄少女の周囲にいた三体の悪魔。奴らの消え去る様子だが、そこらの悪魔とは様子が違ったな。
あのように音も気配もなく突然フッといなくなるとは、見たことも聞いたこともない。
我らの知らぬ術を操るようだな、これは一筋縄では行かぬかもしれぬぞ。
それに何より地獄少女、かわいらしい見た目に反してなんと強大な悪魔よ。
あれほど強力な呪殺魔法、めったにお目にかかれるものではない。
ライドウよ、うぬと地獄少女、目が合ったように見えたが、どうだ、勝てそうか」

ライドウは分からないとかぶりを振った。
しかし、その瞳からは闘志が溢れている。

ゴウト「そうか、アマツミカボシやアスラおうにすら打ち勝ったうぬにそこまで言わせるほどの悪魔がまだいるとは……
だが、なおのこと放置するわけにもいかなくなったな。ライドウよ」

ライドウはゴウトの言葉に深く頷いた。

ゴウト「とりあえず、いったん現実世界に戻るとするか。
幸いすぐそこに現実世界との接点もある。放置してしまった依頼人も気になる


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