過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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41:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:36:15.80 ID:4btJ32Bz0
ライドウは再びミルクホールを訪ねていた。

マスター「地獄の力ですか?
申し訳ありませんが、耳にしたことはありませんね。
葛葉様のお力になれなくて申し訳ありません」

ゴウト「ミルクホールの主人も知らぬか。
ではライドウよ、ヤタガラスの使者にでも当たってみるか?」

ライドウは首を縦に振ろうとした瞬間、ミルクホールのドアーが開き新たな客が入ってきた。
同時に覚えのある妖気を感じる。

ライドウとゴウトが振り返るとそこには思いつめた表情の喪服の女が立っていた。

喪服の女「いらっしゃってよかった。
ライドウさんと業斗童子さんに相談があったんです」

妖気は喪服の女の手鞄の中から放たれている。
ゴウトはライドウの肩に乗り耳打ちをしてきた。

ゴウト「ライドウよ、うぬならばもう気が付いているだろうが、これはあの黒い藁人形の妖気。
とすればこの女は地獄少女の依頼人になったのであろう。
この女には恩もある。
地獄少女の邪魔をしないよう約束はしたが、糸を解かぬよう説得することくらいはかまうまい。
我としてはこの女が地獄行きを約束されぬうちに何とか説得してやりたいのだが……
うぬもその心づもりか。では話を聞くとしようぞ」

喪服の女はライドウの隣の席に腰かけた。

喪服の女「以前、私の恋人が死んだという話をしましたよね。
五年前、私と彼と鶉橋の三人で組んでいました。
地獄通信がらみの仕事の途中、悪魔の襲撃を受けて異界で三人バラバラにはぐれてしまったんです。
その後鶉橋とは合流できましたが、彼は戻りませんでした。
私もこの業界が長いですから、当然彼は悪魔に殺されたものだと思っていました。
でも、昨日業斗童子さんの手帳をみて……
地獄通信の依頼者の胸元に浮かび上がる模様を見せてもらって思い出したんです。
合流した鶉橋の胸元にその文様があったことを」

喪服の女は、ゴウトの探偵手帳を転記した自らの手帳を開き、その文様をライドウに見せた。

喪服の女「はぐれる前には鶉橋の胸にはそんな文様は絶対に浮かんでいませんでした。
自分で言うのも何ですが、当時鶉橋は私のことを好きだったようでして……」

ゴウト「なるほど、状況的にも動機的にも、鶉橋の依頼でうぬの恋人が地獄へ流されたと疑ったわけだな」

喪服の女はコクリと頷いた。

喪服の女「もちろん、勘違いの可能性もあります。
でも、そう考えたら居ても立ってもいられなくなって、気が付いたら地獄通信に手紙を出していたんです。
個人名は書かずに『私の恋人を地獄に流すよう地獄通信に依頼した人物』と書いた手紙を。
依頼人の名は聞き出せませんでしたが、地獄少女は依頼を受けてくれました」

ゴウト「そしてその手鞄の中の藁人形を受け取ったのか」

ゴウトの言葉に喪服の女は一瞬体をピクリと震わせ、すぐに手鞄から黒い藁人形を取り出した。

ゴウト「……よもや個人名を書かずともそれだけの内容で依頼が成立するとは思わなかった。
しかし、その文言で依頼が成立したとすると、うぬの恋人が地獄少女の手により地獄に流されたことは確実。
とすると、やはり状況から鶉橋が犯人となる……」

喪服の女「その通りです。でも、私この糸を引く勇気がなくて……」


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