10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:42:50.82 ID:M9TavVJv0
「やだなぁ、希って呼んでって言ったよね?」
「先輩、ですから」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:44:11.88 ID:M9TavVJv0
「っ!」
穂乃果ちゃんが息を呑んだ
涙が滲んだ目で私を見ていて、自分が酷い顔をしていることに気付く
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:45:11.65 ID:M9TavVJv0
穂乃果ちゃんが私以外を気にかけるのが嫌
穂乃果ちゃんが私以外と言葉を交わすのが嫌
穂乃果ちゃんが私以外に触れられるのが嫌
穂乃果ちゃんが私以外に笑いかけるのが嫌
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:46:04.40 ID:M9TavVJv0
いつからだろうか、そんな歪んだ想いが脳内をぐるぐる廻っていた
彼女が入学してから、声を掛けることは出来なかったけど、それでもずっと見ていた
私には出来ない生き方をする彼女への、憧れと淡い恋心
それがいつからだろうか、少しずつおかしな方向へと変わっていって
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:47:04.22 ID:M9TavVJv0
視線をやると、お昼にと買っておいたパンはきれいに食べられていた
朝と夕はご飯を作るんだけど、お昼は学校のせいで出来ないから
だから、彼女が好きだというパンを渡している
…今まで一度も朝ごはんも夕ご飯も食べてくれたことないけど
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:47:49.85 ID:M9TavVJv0
「そろそろ、お昼の一食だけじゃ辛いんじゃない?」
「………」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:48:36.87 ID:M9TavVJv0
手早く調理を済ましながら、穂乃果ちゃんが家に来た日のことを思い出す
えりちになかなか認めてもらえないと頭を悩ます穂乃果ちゃんに
「良い方法を教えてあげる」と言って家に呼んだ。それだけ
運良く誰にも見られることなく家まで来れたし、穂乃果ちゃんも誰にも言ってなかったから、
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:49:24.66 ID:M9TavVJv0
「穂乃果ちゃん、出来たよー」
作ったオムライスを皿に盛って、穂乃果ちゃんの元へ戻る
うつむいた穂乃果ちゃんの口元へ、食べやすいサイズに分けてスプーンを運んだ
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/28(日) 21:50:27.63 ID:M9TavVJv0
ふと、手に持ったスプーンが少しだけ軽くなった
「!」
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2014/09/28(日) 21:51:30.10 ID:M9TavVJv0
「…美味しい?」
恐る恐る聞くと、無言で穂乃果ちゃんは頷く
食べてくれた…!美味しいって…!
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