過去ログ - 早川あおいちゃんスレ
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/05(日) 16:20:35.85 ID:I9K7G0xU0
「あー、小波君! こんなところにいた!」
「噂をすればなんとやらだね」

そう言って小波君が視線を送る先には、ユニフォームに身を包んだ緑髪の女の子。そうか、彼女が。
きっと練習に姿を見せない小波君を探しに来たんだろう。小波君を引き留めてしまったことに罪悪感を覚えた。

「あれ、小波君誰かとお茶してるの……? あ、他校の人?」
「はじめまして、小山雅です」
「あ、どうも。ボクは早川あおいです」

私と早川さんが、互いに挨拶を交わす。
私には選べなかった道を選んだ強い子で、小波君と一緒に野球ができる、女の子。

「……早川さん、か」

きっと抱くだろうと思っていた嫉妬心は、予想よりも遥かに大きく燃え上がりつつあった。
小波君と同じチームにいられることが、羨ましくて仕方がない。

今日、久々に再会しただけで、こんなにも強く焦がれるなんて思いもよらなかったけれど。
でも、私は早川さんへの嫉妬を消すことはできなかった。

「小波君、小山さんとはどういう?」
「中学時代のチームメイトだよ」
「ふーん……」

小波君から私との関係を聞いた早川さんが、こちらを一瞥する。
彼女の勝ち気な瞳の奥には、私と同じ匂いを感じた。つまり彼女もまた、小波君を――。

「……ま、何はともあれよろしくね、小山さん」
「はい、早川さん」

……自分から逃げておいて、正道を歩む人に嫉妬して。加えて元チームメイトと一緒にプレーすることにすら妬いて。
自分の浅ましさをまざまざと思い知ってしまった。

早川さんから差し出された手を握り返したけれど、胸にくすぶる黒い炎は長らく消えないだろう。


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