過去ログ - 早川あおいちゃんスレ
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/05(日) 15:31:19.73 ID:I9K7G0xU0
「こ、小波君、選手生命が絶たれたんじゃ……」
「うん……のハズだったんだけど、なんか気が付いてたら治ってたんだ。おまけに事故の前より実力が上がってる気がするし」

……それ、大丈夫なの?
ちょっと不安になるけど、それよりも。

「小波君、恋恋で野球を続けてたんだね……」
「俺から野球を取ったら何も残らないからね」
「そんなことないよ。……でも、小波君が野球してないのは確かに考えられないもんね」

過程はどうあれ、小波君が野球を続けているということに私は胸を撫で下ろした。よかった。本当に。

「じゃ、今度は俺からの質問なんだけど。雅ちゃん、なんで学ラン着てるの?」
「あ、あー……その、ね……」

答えにくい質問だけど、小波君も自分のことを話してくれたんだから。
私も腹を括って、ちゃんと答えよう。……自分の卑怯さに向き合うことになってしまうけど……。

女性選手は高校野球が出来ないこと、ならば性別を偽ろうと思い立ったこと、そのためにときめき青春高校を選んだこと。
ひとつひとつ説明していく間も、小波君は身じろぎひとつせずに真剣に聞いてくれていた。
だけど、その真摯な目で見つめられるのは、逆に私の心を締め付ける。
……自分の弱さを、最も知られたくない人に自ら伝えているのだから。


「――――って、ことなんだ。……幻滅、した?」

最後まで説明しきって、私は小波君の反応を伺った。正直なところ、すごく怖い。

「幻滅なんかしないよ。ただ正直、ビックリした」
「びっくり?」
「とき青って性別も確認しないんだね……」

あ、そっちなんだ……。でも、安心する。
小波君がするはずもないけれど、もし罵倒なんかされたらどうしようかって思っていたし。

「……今日恋恋に来たのはね、女の子のままでありながら野球部に所属してる子の噂を聞いたからなんだ」
「そうだったのか……」
「自分と比べてしまって、きっと落ち込むだろうけど……でも、そんな強い子のこと、見てみたくて」 


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