8: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/02(木) 19:16:34.52 ID:wGGDvAXqO
……と、ここまで読めば日本人の職人気質な美徳をそこはかとなく感じ取れる、ちょっと美しい逸話で終わるのだけれど、穿った見方をしてしまえば擬人化なんだよね。
鶴の恩返しで助けた鶴が美女になって尋ねてくる、なんて御伽噺があるように、日本人は昔から擬人化が好きなようだし。
ワシの鍬萌え、とか草刈り鎌萌え、とかたぶんそんな感じだ。
斧乃木ちゃんの場合は百年かけて保存されてきた死体と言っていたから……死体萌え?
無いとは言わせない。
最近では無機物なんて序の口、死体や悪魔の類でさえ萌えの対象だ。
確かにレイレイとか宮古芳香は可愛い。
つまり日本のHENTAI文化は遺伝子レベルで組み込まれた生粋のものだったのだ。
だから僕が特別におかしいとか変態だとか、そういう批判をよく八九寺や羽川から聞くが、そんなことはないんだぜ?
「鬼いちゃん、僕のこと好き?」
「なんだよいきなり……まぁ、もちろん好きだよ」
「死体愛好家のことをネクロフィリアと呼ぶそうだね」
「らしいな。僕には縁がないと言うか、理解し難いけど」
「このネク野郎が」
確かに世界にはネクロフィリアと呼ばれる、物言わぬ死体を愛する人間は存在する。
それは異性限定だったり、死体であれば人間ですらなくてもいい、というものから種々様々のようだが、僕としてはあまり受け入れられる嗜好ではない。
道徳的に良くないだとか、罰が当たるだとかそんな一般論はすっ飛ばしても、単純におぞましいと思う。
先述した死体萌えだって二次元にデフォルメされているからこそのものであり、実際にゾンビやらキョンシーやらに出会ったら裸足で逃げ出す自信がある。
実際、大人八九寺さんのいた未来では、ゾンビに出会い脇目も振らずに逃げようとした(逃げられなかったけど)。
今こうして斧乃木ちゃんと普通に話せているのは、あくまで斧乃木ちゃんが限りなく人間に近いからであり、意思の疎通が出来るからだ。言い方こそ酷いが、間違ってはいない。
それに。
斧乃木ちゃんを否定してしまったら、化物の端くれである僕は生きてはいけないだろう。
まあでも、ネクロフィリアというものもほんの少しはわからなくもない。
死体というものは、言ってしまえば理想の恋人になり得る。
口答えもせず、どんな要求も受け入れてくれて、その上、死ぬこともない。
命を持たない、という点だけを除けばある意味では完璧な恋人だ。
そういう意味では二次元に近しいものも感じる。
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