381: ◆YGEX1y1gzI
2015/12/25(金) 02:00:20.30 ID:dWO8ehX+o
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『――南ことりさん』
海未『...ことり?』
馴染みのある名前を耳にしてふと顔を上げる。
海未は、この辺りの住人なら大抵がお世話になったことがある近所の総合病院に、祖母の薬を受け取りに来ていた。
受付に目をやると、なにやら見覚えのある構造不明の髪型が揺れている、海未の知っている南ことりその人で間違いなさそうだ。
病院に来ているということは病気や怪我だろうか?それにしては足取りは確かで元気そうだし、なにより親御さんの姿が見えないのがおかしい、受付の看護師さんもにこやかに対応していて、現在進行形での病人や怪我人に対する接し方ではないように見える。
ならば海未と同じく誰かの薬を代理で貰いに来た、あたりと考えるのが妥当だろうか。
でも、もしかしたら本当にどこか悪いのかもしれない...。
これが穂乃果なら心配しなかったかもしれないが、ことりってなんとなく病弱そうだし...。
海未『...』
いくら考えても不安が大きくなるだけで埒があかない、直接訊くしかないだろう。
そう心に決めるのは一瞬だった。
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