過去ログ - 八幡「やはり地球防衛ロボット"ジアース"は間違っている」
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『一瞬だけ、雪ノ下陽乃は仮面を外す。』
◆WqJdCIH9ivV3
[saga]
2015/03/07(土) 18:24:21.79 ID:viqd7psP0
さてブルーなテンションで行列なた加わり三十分くらい経ったであろうか。
列は結構進み、俺の前の人数は片手で収まる程度になっていた。
カウンターの方からチリンチリンとベルが鳴り、同時に「おめでとうございます、特賞です!」という店員さんの声が上がった。
何事かとスマホから顔を上げて見れば、先頭のお客さんが店員さんから人形を貰っていた。
どうやら開店キャンペーンなるものをやっていたらしい。
八幡「千円以上お買い上げのお客様に素敵なプレゼントがその場で当たる、ねぇ」
今まで気に止めてなかったが、なるほど、そんなことをやっていたのか。
しかし比企谷八幡、騙されるなこの類のもの、今まで一度だって当たったことあるか?
俺が当たるのはせいぜい校庭で遊んでいる同級生のボールくらいだ。
「ごめんキャッチボールしてて」とか言いながら拾いに来た伊勢谷くん、なんでサッカーボールが飛んできたんですかねぇ……。
昔のトラウマを軽く思い出し、浮つきそうな気持ちを抑える。
後ろの方では舌打ちをする声が聞こえ、どんだけ人形欲しいんだよと軽くツッコミを入れる余裕まで出てきた。
何はともあれ、この店ともあと少しでおさらばだ。
俺は小町からのリクエストを再確認し、注文に備えていると、またチリンチリンと鳴った。
また特賞の人形が当たったらしい。
ここに来て特賞当たりすぎだろ……。
後ろからはまたチッと舌打ちと共に地団駄を踏む音が聞こえてきた。
よっぽど欲しいんだろうなと思わず苦笑いが出る。
ようやく俺の番になった。
ちゃっちゃと終わらせたいと早口で簡潔に注文を済まし、お金を払い終えると、店員さんから丸い穴のついた箱を差し出された。
「それではここからひとつお引きください」
例のアレだ。
絶対に当たらないものだとは思うものの、クジを引く前はちょっと緊張してしまう。
二度ある事は三度あるとは言うものの、実際起こることは少ないわけで。
幾つかのカードがあるという感覚が手から伝わり、そのうちのひとつを選び、店員さんへと渡した。
「おめでとうございます! 特賞の当店オリジナルのパンさん人形です!」
…………マジかよ。
チリンチリンとベルを鳴らしながら店員さんは俺に片手に乗るサイズのパンさん人形が入った紙袋を渡す。
「運が良かったですね。これが最後のパンさんだったんですよ」
ウインクをしながら店員さんに言われれば、俺も少し顔が綻ぶ。
2連続の後に最後のひとつが当たったとなれば、これはかなりラッキーだと言える。
後ろで唸っていた人には悪いが、これも運なのだよ、はははっ!
こんな確率で当たるのはどれくらいだろうな、とか柄にもなく考えていると、ガシッと腕をひっつかまれる。
八幡「なんだよ!」
列の方から伸びてきた腕は、パンさん人形を持っている俺の腕をがっちり掴んで動かない。
俺はその手の主を確かめると同時に、その眼力に気圧されることになった。
雪乃「比企谷くん……。ちょっと、話したいことがあるのだけれど」
凄まじい形相の、雪ノ下雪乃に、俺は抵抗するまもなく連れられて行った。
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