29: ◆EhtsT9zeko[saga]
2014/10/11(土) 20:02:19.22 ID:fJh3zaYgo
それから私たちは、トロールさんが夜のうちに取ってきてくれた魚を食べて、妖精さんが持ってきてくれた木苺もみんなで分けて食べた。
お姉さんは本当に久しぶりに食べ物を口にしたみたいで、半分泣きながら「ありがとな、ありがとな」って何度も言ってておかしくって笑ってしまった。
お腹がいっぱいになってから、ふと、お姉さんが思い出したように
「そういや、あたし荷物探しに行かなきゃいけなかったんだ」
と膝をポンっとたたいて言った。
お姉さんもそうだったみたいだけど、私もうっかり忘れてた。確か、鉄砲水に流された、って言ってたよね…
「なぁ、妖精ちゃん。ちょっと森を案内してくれないかな?たぶん、川の下流の方に行けば、どっかに引っかかってると思うんだよ」
お姉さんがそういうと、妖精さんはコクコクとうなずいてパタパタっと飛び上がった。
「私も着いて行っていいですか?」
私は、ふとそんなことを思ってお姉さんに聞いてみた。
村にいたころは、山は危ないから入っちゃいけないって言われていたし、ここに来てから時間が経っているわけでもないし、山のことはよく知らない。
でも、ほかに行くところもないし、山のことは知っておかなきゃな、と思った。
妖精さんと一緒に木苺を採ったり、お魚獲ったりできれば、トロールさんの役に立てるかな、とも思ったし。
「あぁ、いいけど…どこにあるかもわからないし、時間かかるかもしれないよ?」
「うん、それでもいいです。私も山のこと知りたいし…」
「そっか。んじゃぁ、一緒に行こう」
お姉さんがそう言ってくれたので、私は妖精さんとお姉さんと三人で洞穴を出て、最初にお姉さんが倒れていた場所に向かった。
そこから妖精さんの案内で川の下流の方へと歩いていく。
川の回りはゴツゴツとした岩だらけで正直歩くのも大変だったけど、お姉さんが手を貸してくれたり、
転んじゃってすりむいたりすると妖精さんが魔法で治してくれたりするので、頑張ってあるいた。
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