34: ◆EhtsT9zeko[saga]
2014/10/11(土) 20:11:55.60 ID:fJh3zaYgo
それから私は、お姉さんに連れられて洞穴に戻った。
しばらくメソメソ泣いてたけど、それも次第に収まって、
気分もだいぶすっきりした。
「大丈夫か?」
お姉さんが川で汲んだお水をくれたのでそれを飲ませてもらってから頷いて
「迷惑かけちゃってごめんなさい」
って謝った。
お姉さんは私の頭を優しく撫でてくれて
「あたしはあんたの味方だ。泣きたいときはそばにいてやるから、いっぱい泣くといい」
なんて言ってくれて、私はなんだか嬉しくってお姉さんに抱きついていた。
お姉さんはそれから、びしょびしょになった荷物を私に手渡してきた。
「悪いんだけど、この中身を干しといてくれないかな?」
「いいですけど、お姉さんは?」
「あたしは、もう一度あそこに戻っていろいろ調べてみる。
あのまま放っておくわけにもいかないしな」
お姉さんはそうってまた私の頭をくしゃっと撫でてくれた。
「わかった。気を付けてね」
私がそう言って上げたら、お姉ちゃんはニコっと優しく笑って
「妖精ちゃん、案内頼むよ」
と妖精さんに声をかけて、私にまた一言、頼むな、っていって洞穴から出ていった。
私はその後ろ姿を見送ってから、お姉さんから預かった麻でできた大きな袋を引きずって木のところまで行く。
中を開けてみたら、シュラフや替えの服に、簡素な金属の食器に
細かい目の鎖で編まれたずっしり重いチョッキみたいな物もあった。
鎖かたびら、ってやつかな?
こんなのを着て戦うなんて、お姉さん力持ちだなぁ、なんて思いながら
他の細かい物も日当たりのいいところあった岩の上に干していく。
それが終わってから、今度は木の下にたくさん落ちていた枝も引きずって
乾燥させられるようにと岩の近くにまとめて置いた。
薪をいちいち外まで広いに行くのも大変だし、この場所に落ちてる枝を燃やせれば楽だもんね。
それを終えたら今度は、さっき食べて骨だけになったお魚をお姉さんの荷物にあった金属の鍋に集めて入れた。
これを煮詰めて出汁がとれれば、木の実とかお芋を一緒に茹でてスープにもできると思う。
本当はお塩でもあるといいんだけど、山の中だしそんな贅沢なことはこの際、諦めていた。
私はお姉さん達がきっとお腹を空かせて帰ってくるだろうからと思って、
帰って来てすぐに食事の準備が出来るように火を起こした。
あ、そうだ。あの木の枝も手で折れるところがあったら折って火のそばで乾燥させれば早く乾くな。
それに気がついたので、木の下から集めてきた枝を蹴って折ったり
太くて折りにくいやつは転がっていた石を割って出来た尖った部分を斧代わりに使って
出来るだけ小さく切ってみたりした。
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