851: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/16(月) 01:03:37.34 ID:1hRSULfgo
「うーん…確かに考えてみればそうだね…それこそ今だって土の民のまとめ役は、その土地に関するほとんどのことを指導して他の皆を引っ張る立場にいる。
人間の貴族やなんかと違って、領民から税金を搾り取るんじゃなく、領民と共に生活を立てるために導いてたはず。
そんな人のところにいるんなら、元々学がなくたってきっといろんなことを学べていたっておかしくはない…」
大尉さんは腕組みをしてそう唸った。
「その人が竜族ちゃんのお母さんかもしれない…」
「まぁ、分からないけどね…栗色の髪の女の先生だって、きっと探せばいくらでもいるだろうし」
零号ちゃんの言葉に、私は落ち着いてそう応える。あくまでも、考えられる条件が一致しているってだけの話だ。何か特別な確証があるわけでもない。
「手習い所というのは…」
「街外れの居住区の方だね。ここからだと少し距離があるかな…明日行ってみるにしても、最初は近場の市場に向かってからの方が良さそう」
ほんの少しだけ、目に期待を輝かせた竜族ちゃんに、大尉さんが地図を広げてそう言った。
市場にはたくさん人がいるだろうし、聞き込みには時間が掛かるだろう。手習い所に向かえるのは、夕方近くになるかもしれない。
でも、そのほうが返って手習い所の手が空いているだろう。
「じゃぁ、決まりだね」
そんな私達の話し合いを聞いて、零号ちゃんが言った。
「明日は、まずは市場に行って、それから手習い所ってところに行ってみよう」
そうまとめた零号ちゃんの言葉に、私達は、それぞれ頷いて返事を返していた。
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