過去ログ - 【銀と金】森田鉄雄は絶望の城へと拉致されました 第二部【賭博黙示録カイジ】
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277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/19(水) 17:05:24.51 ID:g0Z8QOvQ0

銀二(森田も俺と同じか……)

森田は先ほど言った。平井銀二と別れてから自分は死人同然なのだと。
今の銀二も森田というパートナーを失ったことで、昔のように経済界を牛耳る巨悪に駆け上がるという野望も失せてしまっていた。
そして森田もまた、銀二と別れたことで深い喪失感を味わい、一市民として生きることも、悪党として生きることさえできなくなっているという。
ああして死を決意して巨悪に挑もうとしていくその姿は、まるで自ら破滅を……死を望んでいるかのようだ。
……言うなれば、森田鉄雄は今、現実で生きる気力を失っているのだ。
銀二が森田というパートナーを失ったことで『自分の中の何か』を失い、裏社会で生きる気力を失せてしまったのと同じように……。

美緒(どうして……? 森田くん……どうして、そこまで……)

死地へ赴こうとする森田に、美緒は彼がずっと遠くにいるような違和感……異常性に気がついていた。
エスポワールの時も森田は自分が破滅しても構わないと言っていた。美緒は本当にそうなるのが嫌で森田の手助けをしたのだ。
だが、森田はことごとく命さえ危ぶまれる危険なゲームに進んで身を委ねていく……。

それはもちろん、仲間であるカイジを放っておくことができないという損得抜きの強い思いがあるのも事実だろう。
だがそんな森田からは同時に、自らが破滅しても本望という、危うささえも感じられてくる……。

美緒(森田くん……変だよ……)

森田は言った。平井銀二と別れてからの自分は死人同然なのだと……。
あの平井銀二という男は森田が裏社会で一緒に仕事をしていたパートナーだったという。
森田にとっては心底尊敬する師匠か親のような……恐らくはそういった憧れを抱いていたに違いない。
その憧れの人間と別れたことが森田に現実を生きる気力を失わせるほどに深い喪失感を抱かせているのなら……。
今の彼を救うことができるのは……。



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