過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:20:54.91 ID:hGctJzQM0
「む〜、おねーしゃん意地悪」

「はっはっは〜アタシはこわ〜い不良のおねえさんなんだぞ〜。だから意地悪もしちゃうんだぞ〜」

「いいもん、たくみんおねーしゃん全然怖くないもん。
以下略



155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:21:45.37 ID:hGctJzQM0


「ひゅー。どこを見ても人、人、人。休みなだけあって賑やかなもんだねえ」

 普段はバイクで通り過ぎるだけの道だが、子供の足に合わせてゆっくり歩くと様々なものが目に飛び込んでくる。
以下略



156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:23:28.78 ID:hGctJzQM0
 一糸乱れぬ統率の取れたダンス。
パッと見驚くが大仰に見えて実の所単純な動作を繰り返すだけの代物。まあ盆踊りと違いわねぇわな。
和太鼓の心地よい響きに合わせて、今もまた観光客が幾人か阿波踊りの行列へと吸い込まれていった。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々」
以下略



157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:24:38.75 ID:hGctJzQM0
 ことさらに大声を上げ、騒ぐ。
リズムはめちゃくちゃ、ステップは大外れ、滑稽なほど腰をねじってくるみを振り回す。

「えらいやっちゃ……ヨイヨイ……やっちゃ……ヨイヨイ」

以下略



158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:26:11.27 ID:hGctJzQM0
 祭りを眺めていた観光客の手を引き、無理やり踊りの列へと引きずり込む。

「おどらなそんそん」

 案の定揃わぬ手振りも御愛嬌。それでも和太鼓のリズムに合わせて次第にアタシらの猿真似は様になってくる。
以下略



159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:27:03.48 ID:hGctJzQM0


 親父の事はあまり話せない。話したくないってのが半分、後はまあ知らない事だからな。
ああ大丈夫、それでも話は続けるさ。これは望むと望まざるとにかかわらず、話さなければいけない事だからな。
なぜ話をするのか? そうだな……それは待つ事がアタシの仕事だからだ。そこには責任がある。
以下略



160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:27:51.55 ID:hGctJzQM0
 家ん中、仕事の無い日の親父は碁打ちだった。
だから碁を知れば親父の事が少しは理解できるかもしれねぇ。

 碁石には3つの種類がある。

以下略



161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:29:18.96 ID:hGctJzQM0
「結末は知ってるよ。
 でもアンタの話なら、あたしは何時だって聞いてきた。だからさ今回も話を聞かせてよ」

 まずは隅へ打つ、そいつが定石だ。
盤面のど真ん中へ足を止めて殴り合いを始めちゃあいけない。
以下略



162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:31:16.95 ID:hGctJzQM0
 長かった。ここまで来るのにだいぶ飛び石をしちまった。
だけどようやくアタシも最後の話が出来そうだ。

「結末は知ってるよ。
 だからどこから話しても構わないんだよ。どうせ同じ事なんだから」
以下略



163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:32:37.93 ID:hGctJzQM0


「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ」

 祭りの熱気は治まる事を知らず、アタシらの馬鹿騒ぎはうねりを増す。
以下略



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