15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:58:34.28 ID:2ge1itV00
Omega「アイツ、やたらと戦況が読めやがる」
いや、読め『過ぎる』。戦局眼と一言で片づけるには、あまりに異質な立ち回り。
似たような戦場を幾度も経験してきたかのように。いや、時として既にその戦場を知っているかのようにすら。
その様は、まるで。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:04:55.87 ID:2ge1itV00
良くない、とかぶりを振る。アルコールが回っているのだ。
どうせ何らかのお鉢が自分に回ってくるに違いないから、と、努めてあまり飲まないようにしていたはずなのに。
それでも今日の作戦の疲労は余程だったらしい、酔いが思った以上に加速している。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:11:15.69 ID:2ge1itV00
Omega「無いな。無い」
Viper「おう、どーした?」
Omega「や、なんでもねぇよ」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:17:18.84 ID:2ge1itV00
Omega「まあ、なんにせよ」
ほぅ、と息を吐き出して、不格好な装飾を施されたエンブレムと正対する。
何より、この死神が、アイツをエースたらしめているのではない。逆だ。
アイツが、この死神を死神たらしめているのだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:23:28.02 ID:2ge1itV00
Omega「逸脱してらぁな。色々と」
Viper「……ふぅん」
それ以上こちらが続けないと判断したのか、暫くして、脚立の上で鼻を鳴る。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:26:48.50 ID:2ge1itV00
Omega「あぁん!?」
ため息交じりのその言葉に、反射的に険のある声が出る。が。
Viper「落ーちー着ーけ。別に貶めてるわけじゃねぇよ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:30:10.93 ID:2ge1itV00
Viper「良く見てんな。安心したぜ」
ギラギラと輝く目はそのままに、彼はそういうと脚立からひょいと飛び降りる。
Viper「おっ……とと」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:36:27.39 ID:2ge1itV00
Viper「じゃ、後は任せた。俺じゃ、お前みたいにゃあ、行かないからな」
そう一言だけ残し、ゆっくりとエースが歩み去る。
何を、とまでは聞かなかった。
薄闇を切り裂くような紫電を目の端から滲ませて次のエースの機体に背を向ける奴に何か言うほど無粋ではない。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:42:34.28 ID:2ge1itV00
Viper「それ、描き直してやっといてくれや」
Omega「はぁ?」
Viper「俺ぁ、隠居するからな」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/09(木) 23:44:52.23 ID:2ge1itV00
Viper「しっかり、綺麗に描いといてやれよ」
その一言を最後に、アローズのエース、Viperはハンガーを出て行く。
出て行った。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/09(木) 23:47:20.59 ID:2ge1itV00
そうだ、今までと同じように博打の借金がかさんでいずれ戻ってくるのであれ、暫くボーンアローの編隊は彼を欠いたものに変わるのだ。
そして恐らく、その時の一番機は。
そして、そうなった時に要るのは。
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