19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/10(金) 09:54:14.75 ID:cvkzOU2VO
いつもならここで一色の発言に対してサラッと流したりツッコミを入れたりするんだが、今の俺は何も言えなかった。本当に俺の時間が止まってしまったのだろうか。そんなはずはない。ただ、本当に何も応えられなかったのだ。なぜならーーー
雪乃「あ、あの一色さん……?」
結衣「それってつまりーーーー」
いろは「ーーーーえっ?!ち、違いますよー!嘘に決まってるじゃないですかー!」
結衣「だ、たよねー。そんなわけない、よ………ね?」
いろは「は、はははいっ!ちょっ、先輩も何で黙ってるんですかー!!あー、もしかして勘違いしちゃいました?普通に考えて私が先輩を、だなんてありえませんし、私は葉山先輩一筋ですから先輩とかまだちょっと無理ですごめんなさい。」
一色がいつものように早口でまくしたてる。そこで俺も我に返っていつもの如く一色に言う。
八幡「だから俺はお前に何回フラれれば済むんだよ。そもそも俺は過去のトラウマから勘違いなんて起こさない様に訓練されてんだよ。そこらの弱小ぼっちと一緒にすんな。俺はぼっちのエキスパートだぞ。」
雪乃「そんなことを自慢気に言えるのがあなたの唯一すごいところよね。」
雪ノ下がこめかみに手を当ててため息混じりに言う。お前ホントそれ好きだな。似合ってるけど。
八幡「つか黙ってたのも他の考え事してたからだしな。」
いろは「ちょっ、酷くないですか?!可愛い後輩が来てあんな事言ってくれてるのに他の考え事とか!」
八幡「へーへー、悪かったよ。つかお前そんな早口でよく噛まないよな、いつも関心するわ。」
そんな会話をしていると最終下校のチャイムが校内中に鳴り響く。それを機に俺たちも帰り支度をして、校門へ向かう。
その後の一色の買い物はまた何やら生徒会の備品の買い溜めやグッズなどを見て回り、必要そうな物を買っては俺に持たせ、という感じだった。
一色に話を振られればきちんと応えてはいたし、必要そうな物を見つければこれとかどうだ?と普通に話をしていた。
だが俺の心はここに在らずって感じだった。
なぜなら俺は、あの部室で見せた一色の顔が、あの笑顔がーーーーー
ーーーーーあいつの、一色いろはという女の子の素の顔であることを、知っていたからだ。
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