過去ログ - 佐々木「私、あなたのこと好きなのかもしれない」ハルヒ「・・・そう」
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◆tr.t4dJfuU
[saga]
2014/10/11(土) 00:52:48.76 ID:Kg1277h9o
佐々木「言っておくけれど、僕はそちらの都合なんて知らない。気持ちの踏ん切りさえつけば、今この瞬間にも彼に思いを告げてもいいとさえ思っている」
そう言った私に、ほんの一瞬だけ彼女はとてもとても悲しい顔を向けた。
どこまでも人間らしい顔だった。
悟ったような顔をして勝手にフェードアウトする未来人や、人の機微を解さない宇宙人にはできないであろう表情だった。
彼女たちが本当に涼宮ハルヒを思うなら、間違っても応援なんてしてはいけなかったんだ。勝手に神様扱いして、勝手に自分の気持ちにけじめを付けて、その場しのぎをしようとしたからこそ、彼女はこんなにも苦しんでいる。
結局それは、彼女たちにしてみれば未練からの打算だったのだろう。
「世界が壊れてしまうから」なんてもっともらしい理由で、この少女に責を押し付けたのだ。
佐々木「そうか、それで、今度は僕のせいにしようということか。君か僕が彼に思いを告げて、それで関係が壊れてしまうなら、それは僕のせいだと、そういうことか」
そして私は、努めて冷静を繕って小さく「ふざけるな」と言ってやった。
紛れも無い本心だった。
けれど彼女は、その言葉に、私では思いもよらない返答を返してきた。
佐々木「――っ!」
パチンと、乾いた音がした。ヒリヒリと痛む頬をさすって私は彼女を睨みつける。
ハルヒ「ふざけんな」
彼女はそう言った。冷静を装ってはいたが、今までの人生で私が見たこともないような程の怒気を含んだ声だった。
――思えば私は、これほどまでの激情を誰かに向けられたことも、向けたこともなかった。
ハルヒ「だからあんたは部外者だって言ってんのよ。あんたが何を知っていて、何を考えたのかしらないけどね、知ったような顔で悟ったような顔で、ふざけんじゃないわよ」
じわりと、背中に嫌な汗が流れる。
こんなにも怒った人間と相対したことなどないのだから、どうしていいのかわからない。
ハルヒ「関係が壊れる? はっ、バカバカしい。壊れてしまえばいいのよ、そんなもの。私がまごまごしてるのはあくまで私の都合、私の気持ちはね、誰かに気遣ってもらうようなもんじゃないわ」
ハルヒ「けど、よくわかった。明確に好きってのを隠そうとしないくせに、あんたが二の足を踏んでる理由」
一旦そこで彼女は言葉を区切る。
――何を言いたいのかを察して、私の中の何かがびりびりと警鐘を鳴らす。
ハルヒ「人のせいにしてるのはあんたじゃない」
ハルヒ「私がなんのためにあんたを呼んだのか知らないでしょ。それはね、あんたの本音ってやつを引きずり出そうとしたのよ」
ハルヒ「案の定だったわ。ばっかばかしい、何を言い出すかと思えば」
佐々木「・・・だったら、さっさと付き合ってしまえばいい。お優しい君の友人は祝福してくれる。そして僕は君と彼に二度と近づこうとは思わないだろうからね」
ハルヒ「ふざけんな!!!」
正しく怒号だった。
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