7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/11(土) 18:49:18.87 ID:7o9yewipo
「それと、おまんじゅうの話とか、ネクタイの話とか……あっ」
言葉を切ると、楓さんが俺の首元にじっと視線を注ぐ。
……今度は、言い逃れは出来ないか。
「プロデューサー、まだスーツとネクタイ2種類ずつしか持ってないでしょう」
「あー……まぁ、これで何とかなっちゃってるので」
「前にも言ったじゃないですか。そろそろ営業のお得意先さんにもバレちゃいますよ」
楓さんの言う通り、俺はスーツもネクタイもそれぞれ2種ずつしか持っていない。
20代も半ばを過ぎた社会人としてあまり宜しくないのは自分でも分かっている。
とはいえ女性の多い職場だし、常にクリーニングなどで気を使ってはいるから不都合は無いのだが……。
「芸能関係者なんですから、プロデューサーもファッションには敏感にならないとダメです」
「買いに行く機会がなかなか無くてですね……」
「じゃあ、明日一緒に買いに行きましょう。プロデューサー、明日の午後はオフですよね?」
「え? あぁ、はい」
「私も明日は予定無いので、新宿でお買い物ですね。後でメールします」
やっぱり、早めに自主トレしに行ってきますね。
そう言い残して、楓さんがスキップで事務所を後にした。
「……えっと」
デート、か?
「何、馬鹿な事考えてんだ」
見かねた楓さんが、服を見繕ってくれるだけだ。
間違いなく、俺のシケたセンスよりも数段上等な目を持っているだろう。
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