36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:32:29.26 ID:Sc7juh7n0
「京子先輩、知ってたんですね」
それだけで、先輩は私が何を言いたいのかわかってくれたようだった。
「ごめんね、ちなつちゃん。知らないなら知らないでいた方がいいと思ったんだ」
でも、これじゃあ。私、最低過ぎます。そう叫びたくなるのを我慢する。今ここで騒いだら、結衣先輩の決意を無駄にしてしまう。
「おいで、ちなつちゃん」
京子先輩が、自分の胸に手招きをする。堪らず私は抱きついた。
「この前と逆だね」
先輩が優しく、私の髪を撫ぜる。とても気持ちいい。
「先輩、私、私」
そうしたら、なんだか安心して、涙が溢れ出てきてしまった。
「ちなつちゃん、私たちうんと幸せになろう。誰にも負けないくらい」
「はい」
「皆が羨ましがるくらい、幸せになろう」
「はい」
ただただ、私は、頷くだけだった。
「有難うございます、京子先輩」
ようやっと落ち着いて、先輩から離れる。
「うん、やっぱりちなつちゃんが笑ってる顔が一番だね」
そう言って、京子先輩は笑った。
「なんなんですか、もう」
照れくさくて、なんだかおかしくって、ついに私たちは吹き出した。折角泣き止んだのに、今度は笑いすぎて涙が出る。
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