過去ログ - ちなつ「ごらく部」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:49:34.36 ID:Sc7juh7n0
「櫻子の癖に、そういうところはよく見てますのね」

 ちなつちゃんと歳納先輩が付き合うことになったのが、意外だったらしい。

 けれど私は、いつかそうなるんじゃないかと思っていた。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:52:22.44 ID:Sc7juh7n0
「凄いところを見てしまったな」

 目の前の、小柄な少女に語りかける。

「…………」
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:54:06.54 ID:Sc7juh7n0
 ――古谷と大室が、キスをしていた。

 小鳥のような可愛い接吻ではない。お互いを貪り求め合うような、深い深い口吻だった。

「…………」
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:58:56.52 ID:Sc7juh7n0
 気が付けば、私の唇は松本に奪われていた。

 ただ、数瞬触れ合うだけのキス。ついさっき見たものに比べれば、子どもの遊びのようなものだ。

 それなのに、だというのに。
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:02:22.59 ID:Sc7juh7n0
 いつか破綻するのではないかと、ずっと思っていた。

 綾乃ちゃんの思いは、危うすぎる。

 ウチは、綾乃ちゃんが好き。性愛としてではない。ウチは杉浦綾乃という人が好き。
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:04:57.12 ID:Sc7juh7n0
 あの子の純粋すぎる思いは、しかし一方で重すぎる。

 綾乃ちゃんの思いは、憧れが強い。いつまでたっても、歳納さんとまともに話すことすらままならない。

 勿論彼女は努力をしてきた。成長もしたと思う。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:08:55.24 ID:Sc7juh7n0
「ああ、もうよくわからんが全部歳納が悪い!! 突然吉川と付き合い始めた歳納が悪い!!」

 だから、そんな言葉が聞こえてきたときも、ウチは平静を装うことが出来るはずだった。

「え、あ、うそ」
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:10:09.48 ID:Sc7juh7n0
「待って、待って綾乃ちゃん!!」

 廊下を全力で駆ける。綾乃ちゃんには、思いの外早く追いついた。

「綾乃ちゃん!?」
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28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:11:34.59 ID:Sc7juh7n0
 あ、れ?

 自分の目元に触れる。そこは確かに、濡れていた。いつの間に涙を流していたのだろうか。

「ありがとう、千歳。私は大丈夫よ」
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:14:53.26 ID:Sc7juh7n0
 千歳は暫く泣き止んでくれなかった。

 廊下に座り込んだまま、私たちはずっと抱き合っていた。よしよしと、千歳の頭を撫でる。

 いつもと立場が逆で、なんだか笑ってしまいそうだ。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:17:51.11 ID:Sc7juh7n0
 もっと仲良くなれたらな。なんて思う。手を繋ぎたい、触れ合いたい。そう、思う。

 キスをしたい、えっちなことをしてみたい。そう、思っているのだろうか。そんなことを考えると顔がみるみるうちに熱を帯びて、何も考えられなくなる。

 だからずっと、わからなかった。私が歳納京子をどう思っているのか。歳納京子とどうなりたいのか。
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:21:14.68 ID:Sc7juh7n0
「私は、歳納京子のことが大好きだったのよ。ずっと一緒にいたい。触れたい、キスしたい、結婚したい、えっちなことだってしてみたい」

 なんて馬鹿なのだろう。

「私、好きなんだあ、あの子のことが」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:23:10.59 ID:Sc7juh7n0
 皆に京子先輩とのことを話すのは、怖かった。

 私は結衣先輩に一目惚れして、そしてずっと結衣先輩にアタックし続けてきた。皆それを知っている。

 あかりちゃんは、私の相談にのってくれて、色々と応援してくれた。そんな彼女を裏切るようなことをしたのだ。
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:26:35.98 ID:Sc7juh7n0
 あかりちゃんと結衣先輩は、こちらが拍子抜けするほどあっさりと私たちの仲を認めてくれた。

 本当に嬉しかった。櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも、驚いているようだったけれど、祝福してくれた。

「じゃあ今日は皆でお祝いだな」
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:27:40.12 ID:Sc7juh7n0
「京子先輩、なんだか結衣先輩おかしくなかったですか?」

 結局押し切られた私は、京子先輩と並んで座っていた。

「んーまあねえ」
以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:31:03.39 ID:Sc7juh7n0
「結衣ちゃん、無理してるでしょ」

 そんな声が聞こえてきて、私は停止した。

「なんだよあかり、藪から棒に」
以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:32:29.26 ID:Sc7juh7n0
「京子先輩、知ってたんですね」

 それだけで、先輩は私が何を言いたいのかわかってくれたようだった。

「ごめんね、ちなつちゃん。知らないなら知らないでいた方がいいと思ったんだ」
以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:39:39.00 ID:Sc7juh7n0
「ああー! ちなつちゃんが泣いてる!!」

「おい、京子! お前なにしたんだ!!」

 丁度、あかりちゃんと結衣先輩も戻ってきた。
以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 01:40:28.89 ID:Sc7juh7n0
ここまでお付き合いありがとうございました。


39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/10/14(火) 07:48:53.92 ID:I1YdSaKQo
乙乙


40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/10/15(水) 09:45:33.25 ID:cFbxc7RWO
ゆるゆりSSにまたひとつ名作が生まれてしまったか


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