過去ログ - 並木芽衣子「ハネウマトラベラー」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/16(木) 23:56:12.95 ID:Y0dpsY8u0
「あの、プロデュ―――。」
「・・・芽衣子、今すぐこいつを路肩に寄せてくれ。いくつか確認したい事が出来た。」
「え?」
「いいから早くするんだ!」
「は、はい!」
慌ててプロデューサーの指示にしたがい、路肩に停車する。
「ど、どうしたの?」
「ちょっと見せてくれ。」
「う、うん・・・。」
そう言うと、プロデューサーはハンドルを左右に動かしたりブレーキをかけながら前後に動かしたりと、よくわからない行動を始めた。
そんな、よくわからない行動が一頻り終わった後、プロデューサーは気まずそうに口を開いた。
「・・・思った通りだ。こんな暴れ馬を乗りこなすとは、君の体力は人並み以上だな。」
「あの、プロデューサー。一体どういう事?」
「はっきり言おう、こいつは危険すぎる。整備不良の欠陥品だ。」
「う、嘘!だって、しっかり整備してもらったんだよ!?」
「気持ちは分かるが実際コレの状態は最悪だ。そもそも、ハンドルが思うようにきれない時点で、何か怪しいと君も思っただろう?」
「そ、それは・・・。」
プロデューサーの言うとおり、私も薄々勘付いていたと思う。
ううん、ひょっとしたら目をそらしていただけなのかもしれない。
・・・でも、正直認めたくはなかった。
大事に大事に稼いだお金で買ったものが、価値のない物になってしまうなんて・・・。
「・・・そう考えると、さっきの低速トルクの低さも整備不良が関係していそうだ。芽衣子、きみはこいつをどこで購入したんだ?」
「隣町の鷹屋輪業ってお店。社長が紹介してくれたお店なんだよ?」
「おやじさんの店か。あの人がこんなヘマをやらかすとは思えないが・・・。」
「・・・プロデューサー、どうしよう?」
「とりあえず、このマシンの状態を調べよう。確か、後輩の担当しているアイドルにバイクに詳しい人間がいたはずだ。彼女にも協力してもらおう。」
「うん、そうしよっか。」
「よし、連絡するから少し待っていてくれ。」
そう言うと、プロデューサーはスーツの上着からスマートフォンを取り出して電話をかけた。
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