過去ログ - 並木芽衣子「ハネウマトラベラー」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/20(月) 23:19:15.46 ID:hfZYxl7J0
「そうですね、危険な個所は一通り直しましたし一回エンジンかけてみましょう!」
「うん。」
美世ちゃんの指示に従って、エンジンをかけた。
「わっ!」
その瞬間、心臓に響くような力強い音が当たりに響き渡る。
一週間前までとは全然違う、ハンドルも、エンジンも、何もかもが新しくなっている!
「うん、いい音♪このエンジンだけは当たりですね!」
「なんか、生まれ変わったみたい・・・。」
「元々、GB250は良いマシンでしたよ。ただ、持ち主がほったらかすからこんなにボロボロになったんです。」
「そうだったんだ。何だか、可哀想・・・。」
「ふふっ、この子は幸せですね。芽衣子さんとプロデューサーさんに出会えて、生まれ変われたんですから。」
「・・・なんだか、プロデューサーと初めて会ったときの事を思い出しちゃうな。」
「プロデューサーさんと?」
「うん。もし、あの時プロデューサーが声をかけてくれなかったらアイドルになんかになれなかった。もしかしたら、このバイクみたいにボロボロに風化して行くだけの人生だったかもしれない。」
「そんな事無いですよ。寧ろ、この子みたいになるのはあたしの方です。あたしのプロデューサーがあのガレージからあたしを連れ出してくれなかったら、今もオイルだらけの小汚い女のままだったはずですし。」
「そんな事ないって!美世ちゃんはスタイルいいし、とっても可愛いよ!仮にアイドルにならなかったとしても、男の人が放っておかなかったと思う!」
「ありがとう、芽衣子さん。・・・でも、あたし、この子を修理してて思ったんです。」
「何を?」
「どんなに素晴らしいマシンでも、時間が経って錆び付いてきてしまえば誰も見向きもしてくれない。今回は優しい人がオーナーになってくれたお陰で蘇る事が出来たけど、誰もが優しい人じゃない。マシンだけじゃない、人間もきっとそう。」
「・・・うん、そうだね。」
「だから、ずっと大切にされたいのなら、年を重ねても、強く、魅力的でなくちゃダメなんだって。バイクも、クルマも、それと女の子も!」
「強く、魅力的に・・・か。うん、きっとそうだねっ!」
美世ちゃんの言葉に大きくうなずく。
誰にも見向きもされないなんて、寂しすぎるもの!
「はい、絶対そうですよ。」
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