102: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2014/10/21(火) 20:50:40.99 ID:sIgF90zao
●第五章 ―創世の胎動―
―国境の森―
カライモン「お二人とも、ご無事でしょうか?」
ヤスカル「はい…何とか。カライモンさんの防御魔法のお陰ッス…」
帝王「しっかしまぁ…まさかあの場所から飛び降りる事になるたなぁ。さすがに肝を冷やしたぜ」
カライモン「甲板に居た事が幸いしましたね…ところで勇者様はどちらへ?ご一緒に落下されたものと思っておりましたが」
勇者「ここだ。着地前に少々周囲の状況を確認してきた」
ヤスカル「飛翔魔法ッスか…便利ですよね」
帝王「んで、どうだった?ざっと見てきた感じ、何か収穫はあったか?」
勇者「何と言えば良いか…酷い有様だ」
帝王「当然ったぁ当然だが…どうなってた?」
勇者「まず中央通りを取り囲むように七本の柱が出現していて、それぞれの頂上に巨大な…恐らくは魔獣と呼ばれる物が一体ずつ
幸いな事にまだ動きは無く、国民への被害も出ては居ないようだ」
カライモン「成る程…それは恐らく、魔王エレル様が摘出した魔族の悪意に、七天の支柱で吸い上げた魔力を注ぎ込んで作られた物でしょう」
帝王「…ソイツは強いのか?」
カライモン「はい、恐らくはとてつもない強さでしょう」
ノーブル「…具体的には…いや、私達に勝算はあるくらいの強さかい?」
カライモン「正直即答しかねます。正面から戦えば間違い無く敗北を喫する事になりますが
…構造が判らない以上は手立てがあるとも無いとも言える状態ですので」
帝王「戦ってみなきゃ判らねぇって事か…」
勇者「次に星天の柱の方だが…現在は中央通りの中心、つまりは七天の支柱の中央に着陸している」
カライモン「恐らくそれは、七天の支柱と直結状態になるため準備でしょう」
ヤスカル「直結すると、何かあるんッスか?」
カライモン「はい…直結状態の星天の柱はほぼ即座に魔力の装填を行い、連射を行う事ができるようになります」
ヤスカル「…………マジッスか」
帝王「つまり…実質上は絶対不落の要塞になってる訳だな」
ノーブル「となれば、取られる行動は限られて来る訳で…」
勇者「星天の柱への潜入の後、奪還或いは破壊…これしか無さそうだな」
カライモン「異論ありません」
帝王「俺もそれに賛成だな。んでも…例の魔獣とやらはどーする?」
ノーブル「可能な限り戦闘は回避。止むを得ない場合のみ交戦…それも逃走が前提。と言った所だろうね」
ヤスカル「パーティーはどう分けるんッスか?」
ノーブル「…そうだね、流石に一丸になって突っ込んでしまって全滅…という事態は避けなければいけないから…」
カライモン「それに関しましては…勇者様をパーティーA、私カライモンめがパーティーB。
帝王様、ヤスカル様、ノーブル様をパーティーCとして分けるのが宜しいかと」
帝王「何だその最後のパーティーの余り物感は」
カライモン「戦力と技能のバランスで分けた結果で御座います」
ヤスカル「確かに、前衛の帝王様と後衛のあっし、補助のノ−ブル様とでバランスは良いっすけど…」
ノーブル「裏を返すと…勇者君とカライモン君は一人でそれだけの役をこなせてしまうって事なんだよね」
勇者「勇者だからな」
カライモン「魔族ですので」
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