過去ログ - レッサー「『新たなる光』の名の下に集えよ、戦士」 〜闇、海より還り来たる〜
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931:名無しNIPPER[saga]
2015/06/16(火) 11:33:12.01 ID:Qv/go5Sp0
アルフレド「私が……小学生と同じ扱いかね……」

上条「つーかアルフレド、俺はお前が『何』なのかも知らねぇ」

上条「ここまで引っ張る上、魔術師サイドに殆ど情報が漏れてないんだから、相当だってのは分かる」

上条「そんな相手があれこれ、事実と嘘をバーゲンセールみてー引っ張り出してきて並べたんだ。騙されない自信はない!」

鳴護「や、だから当麻君は胸張って言う事じゃ、ね?ないから、うん」

上条「でも結局さ、この世界ってのはシンプルに出来てると思うんだよ」

上条「騙す騙されない以前の話で、それがどんなに理不尽だろうが、絶対に守らなきゃいけない一線ってのもあるんだ」

上条「俺が子を守ったり、子が親を守ったりすんのと同じ」

上条「目の前で転んだ相手へ手を差し伸べるのに、理由なんて要らないのと一緒」

上条「夢の中だろうが、現実だろうが――」

上条「――俺が”友達”を否定する事は、ない。絶対にだ」

鳴護「……」

上条「お前は誰かを騙すのが得意なんだろう。でも、これだけは憶えとけ」

上条「どんなに嘘を重ねようとも、俺達は正しい選択肢を――」

アルフレド「――人が人を殺すのに、何が必要だと思う?」

上条「なんだよ急に」

アルフレド「凶器?……それは違う。凶器なんかなくても人は殺すだろう」

アルフレド「それとも狂気?……それも違う。狂気なんかに縋らなくても、人は正常に人を殺すだろう」

アルフレド「人が人を殺す理由――それは『善意』だ」

アルフレド「『俺は正しい。俺達は正しい。責任は全て向こうにある』――どっかで聞いた事はねーかい?」

アルフレド「イギリスの政治家、アーサー=ポンソンビーは第一次世界大戦中、政府が行ったプロパガンダを10の要素にして発表した」

アルフレド「『一、我々は戦争をしたくはない』」

アルフレド「『二、しかし敵側が一方的に戦争を望んでいる』」

アルフレド「『三、敵の指導者は悪魔のような人間だ』」

アルフレド「『四、我々は領土や覇権のためではなく、偉大な正義のために戦う』」

アルフレド「『五、そしてこの大義は神聖なものである』」

アルフレド「『六、我々も誤って犠牲を出す事がある。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる』」

アルフレド「『七、敵は卑劣な兵器や戦略を用いている』」

アルフレド「『八、我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大』」

アルフレド「『九、芸術家や知識人も正義の戦いを支持している』」

アルフレド「『十、この正義に疑問を投げかける者は裏切り者だ』」

アルフレド「……ま、こいつぁ極端な例だが、俺はカミやんへこう囁いたんだよ。憶えてるかい?」

アルフレド「『”世界のため”にアリサを殺せ』ってだ」

アルフレド「疑わなかったろう?納得したろう?」

アルフレド「『何かのために誰を殺す』――”善意による同族殺し”をだ!」

上条「……」

アルフレド「お前は正しい道を行った――だが、お前でなければどうなった?どうしたと思う?」

アルフレド「悲劇のヒーロー気取りで嬉々として殺していただろうな!この世界ごと!」

アルフレド「私の顧客は全世界にごまんと居るぞ!そして皆が皆賢人ばかりとは限らない!」

上条「――悪い、アルフレド」

アルフレド「あん?」

上条「お前の言葉はもう俺には届かない」


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