過去ログ - 千早「キスをすれば目を覚ましてくれるのでしょう?」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/22(水) 21:49:13.21 ID:4/O5VSpfO

眠れる森の美女

いつだったか、読んだ本はそんな題名だった

もう随分と昔……というほど昔でもないけれど

声の主、如月千早が歌に全てをつぎ込むよりも前

まだ何も失ってはいなかった頃、読んだ記憶のある一冊のストーリー

「……王子様じゃないとダメかしら?」

目の前で眠る少女に問いかける

もちろん答えはない。と、

そう決めていたからこそ

「余計なことしたらダメだよ」

穏やかでありながらも響く声が返った事に

千早は驚きながらも振り返る

「……萩原さん」

いつ来たのか

花を携えているような甘い香りのする萩原雪歩は

困ったように顔を顰めて千早に首を振る

「ダメだよ」

念押し

そんなことしなくてもしないのにと

千早は淡白な声で「ええ」とだけつぶやく

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