577: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2015/05/16(土) 05:13:14.67 ID:gALvZgMjo
●めざめる
ノイズが走った
瞼は鉛のように重い…にも関わらず、眩しい光を遮る役目を殆ど果たす事無く、不快感だけを与えてくる。
俺はそれに耐えられなくなり、何とかして重い瞼を引き上げ………
その瞳に、よく見知った人物…間違えようのその無い顔を映し込んだ。
俺「えっ………ハル?何でこんな所に?蜘蛛は………」
ハル「蜘蛛…ですか?この中庭では見た事ありませんけど、どうかしたんですか?」
穏やかな声で返答するハル。
どこか懐かしい感じのするその声に…俺は安堵すると同時に、何故か違和感を覚えた。
レミ「まさかとは思うけど…アンタまで例の記憶混濁を起こしてるんじゃ無いでしょうね?」
声がする方を見ると、そこには予防衣を纏ったレミの姿。そして、思い付いたように俺自身を見下ろすと…
案の定俺も予防衣を着ていた。
状況の変化に追い付く事が出来ず、周囲を見渡す俺。
判った事はと言えば、ここが以前来た事のある病院の中庭だと言う事…
そして、ハルとレミが居る世界だと言う事くらいだった。
何時の間に…何故こんな所にこんな恰好で居るのか…
違和感…いや、違和感と言う言葉だけでは済ませられない異変が起きている。
俺「悪ぃが…そのまさかかも知れない。色々確認させてくれ」
その異変を確かめるべく、二人に向けて問いかける俺。
そして更に気付けば、視界の先…二人の間から更にその先…ベンチの前に、佇む………例の少女。
つい先程見渡した時には存在しなかった筈のそれが、俺をじっと見据え……
次の瞬間…瞬きした直後には、俺の視界から消え去って居た。
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