581: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2015/05/18(月) 05:56:47.67 ID:oAwMA8ZZo
●いふから
ハル「ではまず事の発端、二人が意識を失う直前…アーカイブの中での出来事を覚えていますか?」
俺「あぁ…俺とレミで、ハルを探しにアーカイブの中に潜って…」
正確には、意識を失う寸前どころか大分前の出来事なのだが…あえてそれは触れずに置く。
レミ「アーカイブの崩壊寸前に、私達はハルを発見。あと一歩で連れ出せるって所まで行ったんだけど…」
ハル「間に合わず、私だけ先にアーカイブから排出されて…二人は崩壊に巻き込まれてしまった。レミちゃんからはそう聞きました」
レミ「で…私とアンタは崩壊の反動で脳にダメージを受けて………何ヶ月も昏睡状態にあった…と言う訳なんだけど。ここまでは覚えてる?」
俺「悪いが、思い出すどころか体験した記憶が無いんだと思う」
俺の言葉を聞き、ハルとレミが困った顔をしてお互いに見合っている。
ハル「…それで目覚めてからは、記憶とか体の機能とかを取り戻すためのリハビリをしていたんですけど…」
レミ「その辺りでは、完全にハルに迷惑をかけちゃったわよね…」
ハル「それは言いっこ無し。そもそも私を助けようとしなければ、二人共こんな事にはならなかったんだから」
と、一応ながらも一通りの説明を受け…確認を行った所で気付いた事が一つ。
俺「あ、そー言やぁ…ハルの方の記憶は大丈夫なのか?」
ハル「え?………あ、はい。大丈夫ですよ。私はちゃんと以前の記憶がある状態でアーカイブから連れ出して貰えましたから」
俺「そっか…」
つまり、その点が俺の居た世界のハルとは違う…
過去のハルが復活せず、本来のハルがそのまま復活した形になっているようだ。
あまり上手く動かない頭を何とかして動かし、俺は現状を一つ一つ噛み砕いて飲み込む。
俺「で、俺の記憶だと…ハルは魔法少女になる前のハルとして蘇って。そこから更に幾つもの事件に巻き込まれた訳なんだが…」
レミ「その、幾つかの事件っての物の記憶がアタシ達には無いわよ」
ハル「はい、二人の意識が失われてからは、私の方でも特に事件と言う事件は…」
俺「んー………聞けば聞く程俺の記憶とこの世界での出来事に差異があるなぁ。むしろ俺の方が記憶に自信無くなってくるぞ」
レミ「そうよ、聞いてる方からしたらアンタが変な妄想か夢を現実だと信じ込んでるようにしか聞こえないもの」
恐らくは記憶混濁事件の被害者もこんな感じなのだろう。
となれば…逆に記憶混濁事件の真相や原因にもある程度の察しが付いて来る。
そして、記憶混濁事件と失踪事件が同じ物なのだとしたら……と、今回の事件に対して考察を進める俺。
これらを裏付ける要素が他にも何か無いだろうか?そう考えながら、視線を自分の周囲に巡らせて、糸口を探すのだが…
見つけたのは、糸口では無く…糸その物だった。
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