588: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2015/06/12(金) 05:00:23.85 ID:SXNr5Fz/o
●しのくに
ノイズが走った
ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン………と、周囲に鳴り響く鐘の音。
周囲に人の気配は無く、見慣れたいつもの街並みが静寂に包まれている。
その光景はまるで、死の世界…いや、無の世界と表現するのが正しいのかも知れ無い。
何故こんな場所に迷い込んだのか…
いや、何故こんな場所に来たのかと言えば、その答えは明白だ。
俺があの蜘蛛の糸に触った事が理由に他ならない。
しかし問題は、何故迷い込んだ場所が…こんな場所なのかと言う事だ。
そこに在るはずの意図は見出せず、帰る糸も見付かりはしない。
袋小路…もしかしたら、俺は詰まされるために誘い込まれただけなのかも知れない。
そんな事を考え、気持ちが焦り始めた瞬間…
ハル「この世界では…誰も生きて居ません。停滞と言う名の死が世界を支配しています」
何時からか…はたまた最初から其処に居たのか、言葉を紡ぎ始めるハル。
そして俺は………ハルの紡いだ言葉から、一つの事を思い出した。
俺「停滞によるの死の世界って…それって確か、光の恩恵派の…」
ハル「はい…恐らくここは、光の恩恵派の目的であるダルマサンサーラが成された世界でしょう」
そう告げた後、更に背後を指差すハル。
そこにあったのは…ハルの言葉を裏付けするに足る存在…
鐘の音が鳴る教会を覆う…
ライトブリンガー、ハレルヤ…かつてハルが成ったその存在の亡骸だった。
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