過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/01/12(月) 20:55:00.59 ID:pkf2ayLi0
勇者「エルフか……まさか本当に存在しているなんて、思いもしなかった」
エルフ少女「まあ、極力人間に接触しないようにってお触れが出てるからね。私たちの村も、人や魔物の目に映らないよう、結界で覆って隠しているし。実際エルフに会ったって人は、そりゃなかなか居ないんじゃないかな?」
勇者「どうしてエルフは人間から身を隠すんだ?」
エルフ少女「元々私たちエルフが、多文化との交流を望まない閉鎖的な種族であるってこともあるけど……何より、エルフが基本的に人間を嫌っちゃってるってのが一番大きいかな」
勇者「な、なんで人間はエルフに嫌われてるんだ? 一体何したんだよ、俺達」
エルフ少女「人間は住処を作るのに、森を切り開いたり川の流れを好き勝手に弄繰り回したりするでしょ? いつか人間は精霊様の住処を悉く奪い尽くすって、長生きのお爺ちゃんお婆ちゃん達は危惧してるんだ」
勇者「あー、それは……成程な〜、それはしゃーないわ。嫌われてもしゃーないわ」
エルフ少女「それに、私たちエルフは結界術やアイテム錬成とかの技術が人間より大分優れてて、それを人間は隙あらば盗もうとしているんだってさ。君たちの住む町には大抵魔物が寄り付かないように結界がはってあるでしょ? そのノウハウも元々はエルフが持っていたものだったのさ」
エルフ少女「だから私たちは小さいころから人間には近づくなって教えられる。人間に近づくと、さらわれて、知識も技術も何もかもを絞り尽くされて捨てられるってね」
勇者「……ひとつ、純粋に疑問なんだけど、いいかな?」
エルフ少女「なんだい?」
勇者「どうして俺を助けてくれたんだ? 俺は……正真正銘、典型的な、『人間』なんだけど」
エルフ少女「まあ、実は私はエルフの中では異端でね。人間のことがそんなに嫌いじゃない。むしろ、ある一点に関してはエルフより優れていると尊敬し、好ましく思ってさえいる」
勇者「ある一点?」
エルフ少女「恥ずかしながら……こう見えて私は呑兵衛なのさ」
勇者「は?」
エルフ少女「一度戯れに人里に降りて酒を味わってからすっかり虜になってしまった。酒が肴を、肴が酒を引き立てあう味の相乗効果! エルフは大して食に拘らないからね……人の文化に触れなければ、私は一生あの多幸感を味わうことはなかっただろう」
エルフ少女「つまりは酒を造る『醸造』の技術! それに連なる『食』の文化! その追求に関しては、私は人というものを尊敬せざるを得ない!!」
エルフ少女「ぶっちゃけ、酒をくれればエルフのアイテムのひとつやふたつくれてやってもいいと思っている!!」
勇者「は、はあ……」
勇者(あー…だからスープもあんなに美味しかったのか。『食』ってのにすげえ拘ってんだこの人)
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