過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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139:名無しNIPPER[saga]
2015/01/12(月) 21:07:15.03 ID:pkf2ayLi0
 勇者へ


 戦士からお前が俺達を見捨てて逃げ出した、と聞いた時は耳を疑った。

 俺はどうしても信じることが出来ずに、第六の町に戻った後、町の人間に話を聞いた。

 誰に聞いても、お前が町に戻ってきたと証言する者はいなかった。

 お前を見捨てて先へ進むと主張する戦士を説き伏せ、俺達はこの『始まりの国』まで戻ってきた。

 結果、ここに至るまでお前の目撃証言はゼロ。

 俺は確信した。お前は逃げ出したのではなく、何か意図があって一時的にその場を離れただけだと。

 ただ逃げ出したのであれば、傷の治療のためにどこかの町に飛んでいたはずだからな。

 俺はここでお前が戻ってくるのを待つよう主張したが、戦士はどうしても納得しなかった。

 だが、俺はここに戻ってくる道中で確信した。

 このパーティーは、お前が居なくては成り立たない。

 お前がどれだけ陰で俺達のために色々やってくれていたのかを痛感した。

 戦士もそれを分かっているはずだ。だが、お前が居なくては何もできないということを認めたくなくて、意地になっている。

 僧侶もそれは分かっているはずだが、戦士が行けば僧侶はついていくだろう。

 やむを得ない。俺も彼女たちに同行することにする。

 なるべく旅の行程を遅らせるように仕向ける。待っているぞ、勇者。

 生きていると信じている。


 武道家




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