過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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165:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:17:34.94 ID:pWickg4a0
 町に戻ったところで別の問題が発覚した。
 お金である。
 お金は四人で等分して持つようにしていたので、勇者が欠けても当分の間は困らないくらいの手持ちはあった。
 だが、ここで薬草を買い込もうと思えば話は別である。
 お金が足りない。
 旅の間で路銀を得る方法は大きく分けて二つある。

 @魔物を倒し、その報奨金を得る

 A魔物や動植物から換価価値のある部位を調達し、売る

 どちらの場合にも専門的な知識が必要だった。
 前者は報奨金の出る魔物、報奨金を得るために提示しなければならない魔物の部位が国ごとに厳格に定められているため。
 後者は言わずもがな、商品になる物並びにその調達方法(動物の解体手順など)の知識が必要なためだ。
 このパーティーは、これまで路銀調達の全てを勇者に任せており、この手の知識は現状皆無と言って差し支えなかった。

武道家(@についてはまだ何とかなるだろうが……Aについては一朝一夕で身に着けられる知識じゃない。諦めるしかないな…)

武道家(報奨金だけで旅の資金を賄うことが出来るものだろうか……宿の手配、武具の更新、道中の食糧、野営の道具……他にも金を使う場所はいくらでもある)

武道家(いかんな……本当にいかん。一体俺達はどれだけの事をあいつに任せっきりにしてしまっていたんだ)

 武道家は戦士の顔を盗み見る。
 眉間にしわを刻み込んで、深く考え込んでいる様子だ。
 戦士も同じことを考えているのだろうか? と、武道家は思った。



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