過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
1- 20
164:名無しNIPPER[saga]
2015/02/01(日) 20:16:27.16 ID:pWickg4a0
 十分後、三人の周りには四体の狼型魔物が倒れ伏していた。

戦士「つあッ!!」

 裂帛の気合いと共に戦士が最後の一体を打ち倒し、魔物の群れは全滅した。

僧侶「か、回復しますね」

武道家「ああ…」

 敵の全滅を確認し、僧侶は傍らに居た武道家に回復呪文を施す。
 僧侶から回復呪文を受けながら、しかし武道家の顔色は優れなかった。
 今の戦闘で、このパーティーの雲行きのあやしさを感じ取ったからだ。
 今、自身に回復を行っている僧侶。
 その姿は、これまでの四人での戦闘時と比べて明らかに傷ついていた。
 戦士と武道家の二人が率先して敵を殲滅し、勇者が僧侶を防衛しつつ二人の援護をする。
 勇者が抜けたことでそのバランスは崩れ、これまでの戦闘とは大きく勝手が違ってしまった。
 当然、僧侶を放っておいて二人で敵に突貫することは出来ない。
 自然、戦士が敵に突っ込み、武道家が僧侶の護衛をするという形になったのだが、これがうまくなかった。
 殲滅役が二人から一人になったことで、戦士を突破し僧侶の所まで迫る魔物が増えた。
 武道家はそれらを可能な限り打ち倒したが、全てをカバーできるはずもなく、僧侶がまともに魔物の攻撃に晒される機会が少なくなかった。
 最終的には戦士も僧侶の傍に陣取り、襲い来る魔物を打ち倒す形になった。
 つまりは防戦一方。
 さらにはその場合でもこちらと敵の攻撃が渦巻く戦闘圏に僧侶を巻き込んでしまうことには変わりない。

武道家(これまでは僧侶が傷を負うことは稀だったから、いつでも僧侶は十全に呪文を奮うことが出来たが……この状態ではどうなるかわからんな)

 同じ不安を戦士も抱いたのだろう。

戦士「一度町に戻ろう。町に戻って、可能な限り薬草を買っていくんだ」

 戦士は二人に対してそんな提案をした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/896.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice