過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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[saga]
2014/11/30(日) 17:27:48.46 ID:AszI6XDJ0
戦士「死んだ振りとは……小癪な真似を!!」
蜥蜴型魔物の後を追い、戦士は駆け出す。
勇者「バ……一人で先行くな!!」
勇者の制止の声などどこ吹く風で、戦士はどんどん先へ進む。
ランタンの光が届かない闇の向こうへ、蜥蜴型魔物は今にも消えようとしている。
それだけは許すわけにはいかない。
正直、コイツは強力な魔物だった。
だから、殺せるうちに確実に殺さなくては。
その姿が完全に闇に溶けるその前に戦士は魔物に追いつき、そして。
蜥蜴型魔物「ギャガァァァァ!!!!」
その脳天に大剣を深々と突き立てた。
蜥蜴型魔物はビクビクと大きく体を揺らし、今度こそ絶命した。
そのことを確認し、戦士は剣を引き抜く。
奇妙な甘い香りが戦士の鼻を刺激した。
最初は、噴き出た脳髄の匂いかと思った。
だが、違った。
戦士「ッッッ!!!? ッ!? !!!!???」
突如、戦士の膝が落ちる。
体が重い。全身を異常な倦怠感が包んでいる。
視点が定まらない。周囲の状況が全く把握できないのは、明かりがここまで届かないから、だけではない。
眼球が高速で痙攣しているようだ。
込み上げる吐き気を必死で飲み込む。
そんな最悪のコンディションにありながら、戦士は意志の力のみで立ち上がり、状況の把握を試みた。
揺れる視界の中で、いくつもの光が闇の中に輝いているのを捉え、そして―――
勇者「戦士ッ!!」
ようやく追いついた勇者が手近なランタンに火を灯した。
勇者「―――ッ!!」
僧侶「ヒッ」
絶句。
壁に、天井に、びっしりと張り付いた巨大な蛾の群れ。
それは勇者が今回最も警戒すべき敵として皆に通達していたもの。
蛾型の魔物。
その鱗粉は毒をもち、吸った者は激しい意識の混濁に襲われる。
吸い過ぎれば、命にも関わる危険な毒粉。
そして最悪なことに―――戦士は既にかなりの量を吸ってしまっているようだった。
ランタンの光に照らされ、敵襲を感知した蛾が蠢きだす。
羽を広げ、渦を為した群れは手近にいた戦士に襲い掛かった。
僧侶「戦士ぃッ!!!!」ダッ!
武道家「まずいぞ…!!」ダッ!
勇者「待て!! 二人とも行くな!! 迂闊に近づいたら毒で全滅だぞッ!!」
僧侶「でも、行かなきゃ、戦士が!! それに、毒なら私の治癒呪文で…ッ!!」
勇者「毒の種類もわかっていないのに、君の治癒が確実に通じる保証はあるか!? 何より、君自身が毒に侵された時、治癒呪文をまともに行使できるのか!?」
僧侶「それは…!! でも、でも……!!」
武道家「ならばどうする?」
勇者「俺が行く。俺が行って戦士を助けてくる。二人はここで待機だ。いいな?」
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