過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/30(日) 17:29:54.93 ID:AszI6XDJ0
勇者「戦士ッ!!」

 勇者の声に、戦士の肩がピクリと反応した。

勇者(まだ意識はある!! だが急がなきゃ……!)

戦士「がああああああああああああああああ!!!!」

勇者「ッ!?」

 茫然自失の体で立ち尽くしていた戦士が、突然大剣を振り回し始めた。
 その剣が戦士の体に取りつこうとしていた蛾達を吹き飛ばす。

戦士「お、おおおおおおおおおおお!!!!」

 視界は碌と定まらない。
 戯れに揺らされている板に立っているように、平衡感覚は掴めない。
 息苦しい。体は焼けるような痛みに襲われている。
 臓物ごと吐き出してしまいそうな猛烈な吐き気は耐え難い。
 だが、剣は握れる。
 慣れ親しんだ手のひらの感覚だけは、未だある。
 ならば、ならば。

 剣を振る。二匹の蛾を両断する。
 剣を振る。見当違いに回る刀身は岩壁を叩く。
 剣を振る。左頬に激しい痛み。どうやら転倒して盛大に地面にこすり付けたようだ。

 負けるものか。
 負けるものか。
 負けるものか。

戦士「負けるものかあああああああああああああああ!!!!」

 剣を振る。剣を振る。剣を振る。
 ただ闇雲に剣を振り回す。
 目が見えないのなら、周囲の全てを切り捨てる。




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