過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
1- 20
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/30(日) 17:35:54.38 ID:AszI6XDJ0
勇者「んなあああああああああ!!!!」

 勇者が洞窟から転がり出てきたのはそれから数分後だった。

勇者「疲れたあああああああああ!!!!!! もう一生分働いた!! もうええやろ!! もう後は隠居して可愛い嫁さん貰ってぐーたらしてええやろおおおお!!!!」

僧侶「ゆ、勇者様…?」

武道家「おい、素が出てるぞ勇者」

勇者「……ハッ!! な、なーんつってなーんつって!! そんな風に考えてる人達のためにも、一刻も早く世界を平和にしなきゃね! 僧侶ちゃん!!」

僧侶「は、はあ……あの、勇者様。お体は大丈夫ですか? よろしければ回復をいたしますが……」

勇者(僧侶ちゃんからの癒しの魔力キタコレ!!)

勇者「是非!! 是非お願いするよ!!」

勇者「是非も無し!!」

僧侶「は、はあ、それでは」

僧侶「………え?」

僧侶(勇者様……そんなに傷を負ってない?)

僧侶(いえ……衣服の損傷具合から見て、もっと多くの傷を負っていないとおかしい。これは一体、どういうこと…?)

 まじまじと勇者の体を観察し、僧侶は気づく。
 腕の所の破れた衣服の下。おそらく、魔物の爪が掠めたのだろう。
 切り裂かれた袖。そこから覗く肌。
 傷が少ないのではない。
 ―――傷は既に大半が治療されていたのだ。

僧侶(そんな……まさか……!)

 ぞくり、と僧侶の背が震えた。
 恐る恐る、といった面持ちで僧侶は勇者に問いかける。

僧侶「勇者様はもしかして……水の精霊のご加護を……?」

勇者「んあ? いや、まあ。でもちょっとだけだよ? ホントちょっとだけ」

僧侶「そんな……」

勇者「いやいや、そんなびっくりする程じゃないって。僧侶ちゃんみたいに色んな治癒や補助呪文は使えないし。初歩的な回復呪文をちょっと使えるくらい。しょっぼいしょっぼいよ」

 そう言って、たははと笑う勇者。
 僧侶はそれに対して曖昧な笑みを返すことしか出来なかった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/896.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice