過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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796:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:17:59.81 ID:ZUaUlY1C0
 力が必要だった。
 勇者は先般のエルフの集落での戦いで、獣王に勝利こそしたものの、その代償は大きかった。
 エルフには多数の犠牲者が出てしまったし、戦士はその身に一生消えぬ傷痕を残してしまった。
 特に後者の件については、勇者自身の力不足が大きな要因となっている。
 獣王への攻撃を戦士に頼り過ぎたのだ。
 勇者の攻撃力がもう少し高ければ、獣王に致命傷を与え得る威力を勇者も持っていれば、もっとリスクを分散させ、戦士が傷を負う事態を避けられたかもしれない。
 故に勇者は力を求めていた。
 自身の攻撃力を高める手段を欲していた。

勇者(『端和』で貰ったこの真打・夜桜だって決して悪い武器じゃない。でも、獣王クラスの敵を相手にするには足りなかった。やっぱり必要だ。俺にも―――神秘の結晶である、精霊剣が)

 だから勇者一行は、野を超え山を越え、ひたすら大陸の北端を目指していた。
 エルフの集落に伝わっている精霊装備の在りか。
 精霊甲は大陸南端のアマゾネスが保有し、精霊杖はエルフの集落に現存し―――

 そして剣は―――極北の王国に伝わっているという。


 そして。
 そして―――――。
 勇者達は遂に辿りついた。
 大陸北端。凍てつく大地に建つ王国。


 既に滅び、終わってしまった国に。




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