過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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797:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:18:33.03 ID:ZUaUlY1C0





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798:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:19:21.53 ID:ZUaUlY1C0
 その町は綺麗で見事な城壁に囲まれていた。
 しかし肝心の正面入口の門が開け放たれている。これでは何者の侵入も拒むことは出来まい。
 門を潜った所で、勇者達の耳に、トッ、トッ、と軽やかな足音が届いた。
 見れば、三体の狼型魔物が勇者達に向かって街路を駆けて来ていた。

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799:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:20:46.14 ID:ZUaUlY1C0
 勇者達はまず町を探索することにした。
 いの一番に向かう先はもちろん武器屋である。
 それらしき看板が掲げられた建物を見つけ、勇者達は中に入る。
 入り口のドアは、鍵が破壊されていた。
 ドアと壁とを固定する金属部がぐにゃりとへしゃげている。鍵がかかったままのドアを無理やりこじ開けたようだ。
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800:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:21:22.78 ID:ZUaUlY1C0
勇者「……もう少し、町を見て回ってみよう。精霊剣についても、この国そのものについても、情報をもっと集めなきゃ……」

 勇者達は宿屋と思しき建物に足を踏み入れた。
 入り口から入ってすぐに受付のカウンターがあり、右手に二階への階段が、左手側に食堂が設けられている。
 食堂を覗くが特に異常は見られない。
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801:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:22:24.30 ID:ZUaUlY1C0
 二十余りの家を見回った頃だった。

戦士「そこで何をしている」

 戦士の鋭い声が飛ぶ。
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802:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:23:26.97 ID:ZUaUlY1C0
勇者「お前達盗賊は『奪う者』だ。農民が作物を作るように、鍛冶屋が刃物を造るように、『何かを生み出す』ことは出来ない。生産者ならぬ略奪者。それがお前達盗賊っていう人種だ」

盗賊「何が言いてえんだ、てめえ」

勇者「今日のお前は死者から奪う。だから俺は咎めない。だが、明日のお前はどうだ? かつてのお前はどうだった? 金貨を纏った死体などそう都合よく落ちてやしない。その時お前はどうする? その時、お前は何から奪うんだ?」
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803:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:24:22.75 ID:ZUaUlY1C0
 町を一通り見回り終わり、勇者達は遂に王宮に足を踏み入れた。
 ただし、武道家のみ、勇者に何事か耳打ちされて別行動に移っている。
 正面入口から中に入ると広いエントランスホールになっていた。
 エントランスは三階に該当する部分まで、巨大な吹き抜けになっている。
 床にある大きな赤絨毯はそのまま真っ直ぐ正面の大階段へと繋がっていて、左右の壁にはそれぞれ四つのドアが設えられていた。
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804:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:25:10.34 ID:ZUaUlY1C0
 王の間を後にして、勇者達は王宮内の探索にかかった。
 そこかしこに転がる死体には、もう感慨を抱かなくなってしまった。

 もし――と勇者は思考する。
 これが、自分の国で起きたことだとしたら、と。
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805:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:25:54.59 ID:ZUaUlY1C0
 勇者達は図書室に辿り着いた。

勇者「ふう……やっとこういう部屋が見つかったか」

 勇者が元々王宮内で目指していたのはここだった。
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806:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:26:29.06 ID:ZUaUlY1C0





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807:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 19:27:50.40 ID:ZUaUlY1C0
 町を囲う城壁を抜けた所で、ちょうど別行動をしていた武道家と合流した。

武道家「ぐるりとこの城壁の周りを回ってみたが、勇者、お前が言うような跡はどこにも無かったぞ。綺麗なものだった」

勇者「そうか……」
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