過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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[saga]
2014/12/13(土) 23:48:10.12 ID:xox+vNXM0
騎士「それじゃあ、行くぜ?」
その場の雰囲気などお構いなしに、騎士はその身を低く屈める。
騎士「よーい……ドンッ!!!!」
土煙だけを残し、騎士の姿が掻き消える。
一切の小細工なし。正面から僧侶に近づき、その胸に向かって伸ばされた騎士の右手は。
目標に到達する前にその手首を武道家によって掴み取られていた。
騎士「おお!?」
武道家「大したスピードだが捉えられん程ではない……下らん真似はこれきりにするんだな、騎士とやら」
騎士「今のに追いつけるのか! スピードに自信があるタイプなんだな!! ちょいと見縊ってたぜ!!」
そう言って騎士は武道家に掴まれた腕を無造作に振り上げた。
少なくとも、勇者の目にはそう映った。
そうとしか映らなかった。
―――なのに、次の瞬間には武道家の体は宙高く打ち上げられていた。
武道家「な…に…!?」
武道家本人すら、状況を把握するのに数瞬の時を要した。
掴まれた腕を、振り上げた。
騎士が行ったのは本当にそれだけだ。
魔法ではない。技術でもない。
単純明快な腕力。
それだけで、自身の体は浮き上がり、その勢いに腕を掴んでいた指は滑り離れ、宿屋の屋根を見下ろせるような高さまで投げ出されている。
武道家「何ィィィィィーーーーーーッ!!!?」
僧侶「武道家さんッ!!」
思わず武道家の姿を目で追っていた僧侶の胸が、もにん、と下から押し上げられた。
騎士「おお、すっげ」
僧侶の背後に回った騎士が、その両手で僧侶の胸を優しく揉み上げている。
もにんもにんと、騎士の指に押され僧侶の胸が形を変えた。
僧侶「―――ッ!!」
僧侶が反射的に悲鳴を上げようと息を吸い込むよりも早く。
勇者「てめえ――――何してくれてんだコラァッ!!!!!!」
勇者が握りしめた拳を騎士の顔目掛けて撃ち込んでいた。
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