過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/13(土) 23:57:09.81 ID:xox+vNXM0
 そうして、騎士は去っていった。
 四人はしばらく茫然とその場に留まっていたが、やがて勇者が口を開いた。

勇者「……このまま、ここでこうしてても埒が明かないし、もう一回宿とって部屋に戻ろう。戦士の鎧も修復しなきゃだから、出発は明日に延期。いいか? みんな」

 武道家と僧侶は沈痛な面持ちで頷き、歩き始めた。
 戦士はまだその場から立ち上がらない。

僧侶「戦士……」

 心配した僧侶は戦士に歩み寄り、ようやく立ち上がった戦士の腕を支えた。

勇者「……なあ、武道家〜」

 ふらふらと、おぼつかない足取りで宿に戻る戦士を見届けて、勇者は隣に佇む武道家に声をかける。

武道家「……なんだ?」

勇者「今、悔しい?」

武道家「当然だ。己の不甲斐なさに、はらわたが煮えくり返る思いだ」

勇者「俺もなー、意外なことに悔しいんだわ。あんな強い奴がいるんだから、もう魔王はあいつに任せちまえ〜っていつもなら小躍りしちゃいそうなのにな」

勇者「……なんか、逆にモチベーション上がった。今まで親父の遺志を継いで魔王を討伐する、とかどうやったってテンション上がんなかったけど」

勇者「少なくとも、あいつを一発ぶん殴れるくらいには強くなってやるぜ、俺は」

武道家「それでは足りんな。いずれ、俺は奴を完膚なきまでに屈服させてやる」

勇者「おほー、流石は『武道家』。野蛮なこって。……戦士は大丈夫かな?」

武道家「それはお前の方が良く分かってるんじゃないか?」

勇者「……そうだな。あの女はこれで折れるようなタマじゃねえわ。よし、そんじゃ俺らも戻るか」

武道家「ああ」

勇者「そんで、すぐロビーに全員集合な」

武道家「あ?」

勇者「この町、麦酒がすげーうめえんだよ。嫌なことは酒飲んでぱーっと騒いで忘れるに限る!! 戦士も僧侶ちゃんも今回ばかりは強制連行じゃい!!!!」

武道家「……なんというか、尊敬するな。お前のそのポジティブさは」

勇者「ネガティブやったらこの五年の修業耐え切れずに自殺しとるわ!! ぎゃっはっは!! いくぞおらーっ!!」



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