過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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877:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/11(月) 23:43:34.42 ID:50uoFRyB0
 武の国へ大侵攻を仕掛けてきた魔王軍の動向を見るに、作戦には緊急の必要性があるとして、会議は二日後に開催される運びとなった。
 当然、馬車などの通常の移動手段では間に合うはずもなく、招待された者の殆どが『翼竜の羽』を用いて飛んでくることとなった。
 今回の『世界会議』のために準備された会議室には円卓が置かれており、その頭、12時の方向に議長として勇者が着席していた。
 武王は勇者の左隣に着席している。
 初めに会議室を訪れたのは眉目秀麗な青年だった。
 王としては余りに若く、しかし若輩の狼狽など微塵も感じさせぬ泰然とした雰囲気を持つ彼は、かつて勇者が人身売買を撲滅した地、『善の国』の王、『善王』であった。
 勇者は立ち上がり、善王の元へ駆け寄った。

勇者「善王様! お忙しい所を突然御呼び立てして申し訳ございません!」

善王「良い。君の呼び立てならば他の何よりも優先して馳せ参じよう。互いに健勝なようで何よりだ」

 善王は武王にも軽く挨拶を交わし、勇者の右隣に着席する。

戦士「失礼する」

 戦士に先導されて部屋に入ってきたのは勇者達の故郷、『始まりの国』の国王だ。
 国王は勇者の姿を認めると目を細めた。

国王「おお……勇者よ。旅を始めたあの時から、よくぞここまで立派になった」

勇者「いえ、私などまだまだ未熟な身。皆様の助け無くば何を成すことも出来ません」

国王「あやつも草葉の陰で喜んでおろう。これからも頼むぞ、勇者よ」

勇者「………」

 勇者は口を噤んだ。
 確たる証拠がない以上、父の事はまだ報告すべきではないと思った。

武道家「協力を快諾してくれたことには本当に感謝している……だが、少し離れてくれないか? 少々くっつきすぎだ」

竜神「ふふーん! 駄目じゃ! これはお主を籠絡する絶好のチャンスなんじゃ! ほれ族長、もっと乳を当てんか!」

アマゾネス族長「はい! 竜神様!」

 銀髪の褐色幼女を右手にぶら下げ、金髪美女の豊満な胸を左腕に押し付けられながら、疲れた顔で武道家が会議室に入ってきた。

僧侶「むっす〜」

 武道家の後ろに控えていた僧侶は、その様子を面白くなさそうに見つめている。
 褐色ロリと、下着同然な格好の金髪美女の登場に、その場に居た者は困惑した。

善王「勇者……か、彼女たちはその、どういう…?」

勇者「か、彼女たちはその、大陸の南端にお住いのアマゾネスという部族の皆さんで……その強力な力は魔王討伐の確かな戦力となると思いまして、今回声をおかけした次第なんですが、その……少々自由奔放な方々でして、その……」

善王「そ、そうか……エルフに知己を得ていたことといい、君の交友関係は実に広くて面白いな、はは…」

勇者「え、えへへ……ってゆーか竜神様!! アンタまで出てきたんすか!?」

竜神「なんじゃ? 悪いか?」

勇者「悪くはないですけど……ここまでちゃんと『翼竜の羽』使って来たんでしょうね?」

竜神「なーんで儂があんな小竜の羽なんぞに頼らねばならん。自前の翼で飛んできたわ」

勇者「だーもう!! すんません武王様!! 何かでっけえ竜を見たって報告が一杯上がってくると思いますけど気にせんでください!! 全部このアホです!!」

竜神「おお!? この儂をアホ呼ばわりするとはいい度胸じゃの!! やるか!? お!? ここでやるか!? お!? お!?」

武道家「どうどうどう」

武王「ふぅむ……なんかよくわからんが、わかった!!」

国王「しかし、若い娘があんなにみだりに肌を晒して……少々下品に過ぎるのではないかね?」

武王「よいではないか。眼福、眼福!」



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