過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[saga]
2016/01/11(月) 23:44:15.81 ID:50uoFRyB0
騎士「よっ! お邪魔するぜ〜」
緊張感の欠片もない様子で入室してきたのは騎士だ。
騎士の背後には、勇者が初めて見る男性が控えていた。
男性自身は初見だが、その独特な服装には見覚えがある。
勇者「もしかして……」
武王「よう! 久しいな、『倭王』!」
果たして武王はその男の事を倭王と呼んだ。
倭王とは勇者も以前訪れた、東の海に浮かぶ島国、『倭の国』の王の名だ。
勇者「お初にお目にかかります。『伝説の勇者』の息子、勇者と申します。まさか、倭王様にまでお出でいただけるとは……」
武王「ワシが声をかけたのだ。倭の国の武士団は強力。世界の命運を分けるこの大決戦に参列させぬ理由はない、とな」
倭王「我が国は四方を海に囲まれたいわば天然の要塞。魔物による被害は正直な所ほとんど無い。無いが、それで対岸の火事と事態を静観するのは恥知らずのすることよ。それに、勇者殿には恩義もある故な。我が武士団の力、存分に活躍させてほしい」
勇者「は、はあ……申し出は非常にありがたく思いますが……しかし、恩義とは…正直、私には何も心当たりがないのですが…」
倭王「『端和』。悪しき竜の手先になっていたあの村の始末をつけてくれたのはお主であろう?」
勇者「は、はい。確かに、我々が竜の討伐を行いましたが……」
騎士「勇者、俺に感謝しろよ〜?」
騎士が勇者の肩に腕を回し、その首を引き寄せた。
ぼそぼそと、倭王に聞こえないように声を絞る。
騎士「『ドラゴン殺し』なんてとんでもないことしておいて、お前さっさと帰っちまうからよ、俺が倭王の所に行って猛アピールしといたのよ。駄目だぜ勇者。売れる恩は売れるだけ売っておかねえと。こういう時に役に立つんだからよ」
勇者「……お前、倭の国に残ってそんなことやってたのか」
倭王「勇者殿、騎士殿、如何いたした?」
騎士「いやいや、何でもないっすよ〜」
勇者「倭王様。この矮小な身に過分な評価、痛み入ります。此度の助力に心より感謝申し上げます」
倭王「うむ。お主の采配、楽しみにしているぞ」
エルフ少女「役者は揃った、って感じかな?」
エルフ少女とエルフ長老の入室を最後に扉が閉じられた。
エルフの存在を初めて目の当たりにした面々にどよめきが走るが、事前に通達済みであったこともあって、皆すぐに落ち着きを取り戻した。
エルフ少女に促され、エルフ長老は円卓の空席に着席した。
今の着席順は12時の方向に座る勇者から時計回りに武王、国王、エルフ長老、アマゾネス族長、倭王、善王となっている。
またそれぞれの背後に武の国兵士長、戦士、エルフ少女、武道家と僧侶と竜神、騎士と倭の国武士団長、善の国護衛団長が控えていた。
勇者がゴホン、とひとつ咳ばらいをする。
勇者「それでは――――作戦の詳細を、説明いたします」
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