過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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946:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:24:02.05 ID:Hj2+wdvc0





以下略



947:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:24:35.45 ID:Hj2+wdvc0



 「頑張れ」という言葉が嫌いだった。

以下略



948:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:25:46.73 ID:Hj2+wdvc0
騎士「王国最強の剣士の跡継ぎとして生まれた俺は、2歳になった時にはもう剣を握らされていた。4歳になった時には木剣で打ちのめされていた。タメ年の奴らが集まってチャンバラごっこしてんのを横目に見ながら、俺は真剣で親父と打ち合っていた」

騎士「普通の奴らが親から魔物について講義を受けている時、俺はもう魔物の討伐に付き合わされてた。10歳になるまでに何度死にかけたかわからねえ。俺の体はおぞましい程傷だらけになって、そんな俺の体を見て家族は誇らしいと笑っていた」

騎士「何もかも面倒くさくなって、魔物の牙にわざと身を晒したこともある。だけど頼んでもいないのに特別手厚く治療され、死ぬことは出来なかった。自分のせいで治療が後回しになって死んだ誰かが居ると知って、わざと死のうとするのはやめた」
以下略



949:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:27:21.18 ID:Hj2+wdvc0
騎士「そんな風に捻くれて成長した俺だったが、それでもガキの頃は親父の事をしっかり尊敬するような真っ直ぐな奴だった。親父は国中から持て囃されていた英雄だったし、実際当時の俺なんか足元にも及ばないくらい強かったしな」

騎士「『あいつさえいなければ伝説になっていたのは俺だった』ってのが酒に酔った親父の口癖だった。それを聞いて俺はいつも、親父の無念は俺が晴らしてやるなんて息巻いてた」

騎士「だけど……あれはいつだったかな? 多分、俺が14かそこらの時だったと思う。虫の居所が悪かったのか知らねえが、親父はいつも以上に修業に熱を入れて俺を叩きのめした。ボロボロになって地面に倒れる俺に親父は、情けない、それでも俺の息子か、そんなんで魔王を倒せると思っているのか、だの罵詈雑言を投げかけた」
以下略



950:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:28:13.68 ID:Hj2+wdvc0



 頑張れ、じゃねえよ。てめえが頑張れ。

以下略



951:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:29:32.11 ID:Hj2+wdvc0
騎士「それからの事は―――まあ、想像ついてんじゃねえか? あれを見たってんなら、見た通りだよ。俺は城の中を練り歩いて出会った奴を片っ端から斬り捨てていった」

勇者「王の間に、兵達の死体が集中してたのは……」

騎士「流石に途中で『騎士が反逆した』ってのが伝達されたみたいでな。王を守れって城中の兵士が集まり出したんだよ。まあ、一切滞りなく王の首は取ったけど」
以下略



952:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:31:06.50 ID:Hj2+wdvc0
騎士「魔界なんていう訳の分からない所から、魔王なんて意味不明な奴が世界征服しようなんて言って来てるんだぜ? どうにかしなきゃ自分の人生が滅茶苦茶になってしまうことなんて自明の理のはずだ」

騎士「なのに何であいつらは、その役目を誰かに任せて自分は無関係ですとへらへら笑ってられるんだ? 自分の命だぞ? どうしてそれを誰とも知れない人間に預けて平気でいられるんだ?」

勇者「……魔王討伐なんて、世界の危機だなんて、普通の人にはスケールが大きすぎて、ピンとこなかったとしてもそれは責められることじゃない」
以下略



953:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:32:38.39 ID:Hj2+wdvc0
勇者「―――――は?」

 勇者は間抜けな声で聞き返していた。
 騎士の発した言葉の意味が、全く頭に入ってこなかった。

以下略



954:名無しNIPPER[saga]
2016/01/24(日) 13:35:27.77 ID:Hj2+wdvc0
今回はここまで

100%収まらないので、次回からは次スレに投稿します

次スレ
以下略



955:名無しNIPPER[sage]
2016/01/24(日) 13:37:09.35 ID:pBBWROQ30
乙です
燃える展開大好きだな


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